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浅野善一

奈良・JR郡山駅広場の花時計、修理完了し再び時刻む

花時計に修理した針を取り付ける上田技研産業の上田全宏会長=2025年5月14日、奈良県大和郡山市高田町のJR郡山駅西側広場、浅野善一撮影

花時計に修理した針を取り付ける上田技研産業の上田全宏会長=2025年5月14日、奈良県大和郡山市高田町のJR郡山駅西側広場、浅野善一撮影

 奈良県大和郡山市高田町のJR郡山駅西側広場で、止まったままになっていた花時計の修理が5月14日、完了し、再び時を刻み始めた。花時計を管理する市は当初、修理をせず「時計型のオブジェ」として残すことを決めていた。

 花時計は1977年10月の市整備による同駅前広場完成に合わせ、大和郡山ライオンズクラブが寄贈。半世紀にわたって時を知らせてきたが、今年2月ごろから止まったままになっていた。

 記者(筆者)が先月、担当の市管理課に修理の予定があるか取材すると、維持管理などの点から修理はせず、針を撤去して「時計型のオブジェ」として残すとの説明だった。その時点では、市は花時計設置の経緯を把握していなかった。

 記者は近所の人への取材で、花時計が駅前広場の整備に合わせライオンズクラブが寄贈したものとの話を聞くことができ、あらためてライオンズクラブと市に取材。これがきっかけとなって、忘れられていた花時計設置の経緯を市も把握、「せっかく寄贈してもらったものなら」と修理へと方向を転換した。

 この日は、修理のため撤去されていた時計の針が再び取り付けられ、新しい花の苗も植えられた。修理を請け負った奈良市の上田技研産業の上田全宏会長(81)が作業に当たった。上田会長によると、修理では劣化したモーターと古くなった制御用の電子基板を交換したという。47年前の花時計設置も同社が担当していたことから、修理も順調に進んだ。

 修理は20年ぶりのことという。立ち会った市管理課長は「修理ができて良かった」と話していた。

花時計に修理した針を取り付ける上田技研産業の上田全宏会長=2025年5月14日、奈良県大和郡山市高田町のJR郡山駅西側広場、浅野善一撮影

新しい花の苗が植えられた花時計と修理を請け負った上田技研産業の上田会長(左)=2025年5月14日、奈良県大和郡山市高田町のJR郡山駅西側広場、浅野善一撮影

筆者情報

JR郡山駅広場の花時計、止まったまま 市が修理へ方向転換 「奈良の声」取材きっかけ、寄贈されたものと分かり

止まったままになっていたJR郡山駅西側広場の花時計=2025年4月14日、奈良県大和郡山市高田町、浅野善一撮影

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