万博・奈良県催事のソファ廃棄問題、県に経緯ただす 「奈良の声」報道受け、県議会総務警察委で委員
奈良県議会=奈良市登大路町、浅野善一撮影
今年5月、大阪・関西万博奈良県催事会場のソファ50個が催しの3日間だけ使用して廃棄された問題が、9月29日の県議会定例会総務警察委員会(大国正博委員長、8人)で取り上げられた。問題を明らかにした「奈良の声」の先月15日付の報道を受けて、松木秀一郎委員(日本維新の会)が廃棄に至った経緯などについてただした。
松木委員は催事について「私も5月27日に見学におじゃました。奈良のPRになる素晴らしい取り組みだった。時間が限られた中で関係者が非常にご苦労されて成し遂げられたもの」と評価。
一方で「万博でSDGs達成への貢献が掲げられている中で、排出する廃棄物を減らす、リサイクル、リユースをやっていくことが極めて重要と感じている」と指摘。「奈良の声」の報道を挙げて、ソファの廃棄に至った経緯などについてただした。
県万博推進室長は、ソファの設置は催事運営受託者の提案で受託者が予算の範囲内で準備したと説明。その上で「再利用も含め検討予定だったが、多数の観客が利用したため、汗や臭い、染みの付着、雨が降ったことによる影響で、想定よりも汚損していたことから、カバーなどをクリーニングしても衛生面など安全が担保できないとの判断から廃棄処分したと、受託者から報告があった」と述べた。
県はこれまでの「奈良の声」の取材に対しても同様の説明をしている。
松木委員は同室長の答弁を受け、「税金を使って運営をされていることを考えると、チェック機能が働くことが大事。もしかしたら廃棄しないといけない状況になるかもしれないと予見できるかどうか、イベントをするときには重要になる。しっかりと見てほしい」と要望した。
ソファは「ヨギボー」の商品名で販売されているビーズソファ。
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