「会議、非公開が妥当」 奈良県から考え方示す 民俗資料保存検討委が「決めた」と説明するも
奈良県庁=奈良市登大路町、浅野善一撮影
奈良県立民俗博物館が収集した民俗資料の保存の在り方について意見を聞く、県の民俗資料収集・保存方針等検討委員会の会議が非公開となっていることについて、県は「決めたのは委員会」と説明してきたが、9月26日の県議会定例会文教くらし委員会(森山賀文委員長、8人)では、「県から非公開が妥当との考え方を示したところ委員から異論はなかった」と述べた。会議の非公開は県の考え方だった。
疋田進一委員(自由民主党・無所属の会)の質問に答えた。疋田委員は「そもそも今回の非公開は県から言ったものなのか、委員の方からこうしてほしいというのが(希望が)あって決まったものなのか」とただした。
これに対し県文化財課長は「検討委員会事務局の文化財課の方から、県における会議の公開、非公開の一般的な考え方を申し上げ、当委員会ではいろいろ審議、検討中の事項も含まれるので、非公開が妥当ではないかとの考え方を示した。それに対して各委員からは異論もなかったため、そのような運用になった」と答弁した。
検討委内に「議事のすべて公開すべき」の意見も
また、疋田委員が今年6月の文教くらし委員会で、県から検討委員会に対し会議の公開を提案してほしいと求めていたことについて、同課長は委員を対象にアンケートを実施したことを明らかにした。
それによると「次回以降、検討委員会の議事のすべてを公開」「議事の内容により開催の都度、公開、非公開を決定」の2点について意見を聞いた。結果については「議事のすべてを公開すべきという意見もある一方で、議事の内容により非公開とすべきという意見もあった」と述べた。今後の会議の公開、非公開はこの結果を踏まえ、検討委員会で検討されるものと考えているとした。
山下真知事は今年6月の県議会定例会一般質問で、会議の公開を求める議員の意見に対し「活発な意見交換ができる環境が阻害される恐れがある。(会議の公開、非公開などについては)委員会で議論して決めており、私に聞かれても答えられないし、私にそれを指図する権限はない」と答弁している。
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