市民からの問い合わせ電話、AIが自動回答 奈良市役所が今秋から

市民からの問い合わせ電話にAIを利用した自動回答を導入することについて発表する仲川げん奈良市長=2026年2月10日、市役所、浅野善一撮影
奈良市は今年秋から、市民や事業者から市役所のコールセンターへの電話の問い合わせに対し、最初の応対を人によるものからAIを利用した自動回答に切り替える。2月10日の市長定例会見で仲川げん市長が発表した。市役所での電話応対の増大に対し、職員の負担軽減などを図るためという。
発表によると、市コールセンターには年間約14万件の問い合わせがある。市はコールセンターについて交換業務だけでなく、問い合わせにも回答できるよう改革を行ってきたが、約7割は職員に転送されているという。職員が電話の応対に要する時間を人件費に換算すると、年間約7億2000万円になるとする。
切り替えに当たっては、庁内に設置していた電話交換機(PBX)をなくして、インターネットのクラウド上にその機能を設けるほか、AIによる自動回答のシステムなどを導入する。具体的にはZoom(ズーム)社のクラウドPBX「Zoom Phone(ズーム・フォン)」などを利用する。
自動回答の仕組みは、市コールセンターへの問い合わせに対し、まずはAIが対応。内容を理解し、FAQ(よくある質問に対する回答)に基づいて自動音声で回答するというもの。FAQは市のホームページにある情報を利用する。AIが回答できない場合はオペレーター(人)が応対、それでも回答できない場合は職員に転送する。
一連のシステムには、通話の音声を文字に変換したり、その文章を要約したりする機能もあり、通話内容の記録や庁内での情報共有、分析、蓄積がスムーズになるという。この機能についてはAIによる自動回答より早く3月16日から運用を開始する。
運用にかかる費用は年間約6600万円。これまでは8800万円だった。市によると、クラウドPBXやAIによる自動回答のシステムなどをまとめて導入するのは全国の自治体では初めてという。
市はシステムの導入に当たって、この日、Zoom社の日本法人「ZVC JAPAN」との間で協力を得るための協定を締結した。
市総務課は「奈良の声」の取材に対し「職員が市民からの電話に応対することは業務だと思っている。AIで回答できる同じような内容の問い合わせにはAIで応対していこうというもの」と述べた。
一方、仲川市長は会見で、各課の直通電話番号が市のホームページで公開されていることについて「(将来は)出さないようにしていきたい。まずは(AIが回答する)コールセンターに架けていただく形に、時間をかけながら持っていきたい」とも述べた。
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