廃棄物業者のごみ無許可保管問題巡り質疑 奈良市議会市民環境委、「奈良の声」報道受け

決済サービスのシールがすべてはがされた倉庫事務所の扉。左下写真は報道前の倉庫事務所の扉(車をぼかしています)=2026年4月20日、奈良市内、浅野善一撮影
奈良県内で一般廃棄物や産業廃棄物の収集運搬業を手掛ける奈良市の業者が、収集したごみを市内の同社施設に無許可で保管するなどして、市の行政指導を繰り返し受けていたことが「奈良の声」の報道で明るみになったが、4月16日の同市議会市民環境委員会(田畑日佐恵委員長、8人)でこの問題が取り上げられた。
この業者は、事業所が排出するごみを収集し処理施設に運ぶ仕事をしている。ごみを処理施設へ運ぶのに分別したり、別の車にまとめたりする積み替え保管は許可が必要だが、許可がないまま同社の倉庫に持ち込んでいた。市の行政指導は数年にわたって続いている。一時的に撤去してもまた持ち込んでいたため。一般廃棄物(産業廃棄物以外の廃棄物)の収集運搬業は市町村の許可だが、この業者の奈良市の許可は2024年9月、廃止(業者から返上)になっていた。
また、この業者を巡っては市東部の山間にある同社車庫の敷地に産業廃棄物である建物の解体ごみが大量に持ち込まれるという問題も生じている。
市「保管ごみすべて撤去を確認」
宮池明委員(公明党)が「インターネット上で報道があった」としてこの問題を取り上げ、経緯について説明を求めた。市廃棄物対策課長は「廃棄物処理法に定める(無許可での)積み替え保管の禁止や不法投棄に抵触する可能性を視野に入れ、複数回撤去指導を行ってきた」と述べた。
その上で同社倉庫の廃棄物については「(市として)3月25日現在、全量撤去されている状況を確認しており、二度とこのような事案を発生させないよう指導したところ、当該事業者より指導内容を了承したとの返答があった」と説明した。
一方、車庫敷地の解体ごみについては、廃棄物を持ち込んだ業者が撤去のための資金力が乏しいことを理由に全量を撤去しておらず、依然として廃棄物が積み置かれている状況であると説明。これへの対応として「業者と連絡を取り、今後も現地の確認と合わせて、計画的に撤去作業を進めていくよう行政指導を続けてまいりたい」と述べた。
宮池委員はまた「市の行政指導では撤去までいかなかった。報道があって撤去というところは市としてどう思うか」とただした。市環境部長は「長年にわたりこの件については認知していて、指導を繰り返してきている。今までの指導の成果でもあるものと考えている」と述べた。
「奈良の声」の記事掲載は3月26日で、市が倉庫のごみの撤去を確認した3月25日時点では未掲載だが、記者はそれまでに同月10日と21日の2度、この業者の社長らに話を聞いており、「奈良の声」が取材を進めていることは業者に伝わっていた。
「奈良の声」が4月20日、同社倉庫を確認したところ、報道前と少し様子が変わっていた。事業所などがごみを持ち込んだ際にごみを積んだ車の重量を示すためのものとみられる倉庫入り口の電光表示装置には覆いがしてあった。倉庫事務所の扉には、ごみを持ち込んだ際の支払いに利用できる決済サービスを示すためのものと見られるシールが複数張ってあったが、すべてはがされていた。
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- 浅野善一
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