県庁横の歩道撤去直後、県の意見コーナーに「危ないので設置して」
奈良県が県庁横の奈良市道において車道拡幅のため歩道を撤去した問題で、ことし3月、歩道撤去直後に、県民から県の意見コーナーに対し、「今でもたくさんの人が歩いていて、とても危ないので、歩道を設置してほしい」との声が寄せられていたことが分かった。県は意見があった後、迂回(うかい)路への誘導看板を設置した。
意見は、県ホームページの「県民の声」コーナーで紹介されている。それによると、意見を受け付けたのは3月25日で、県が回答を付けてホームページに掲載したのは5月14日。意見は「奈良県庁と文化会館の間で現在道路工事をしているが、歩道がなくなりました。その結果、元々歩道のあった所にできた水路の上の細い所を、今でも沢山の人が歩いていて、とても危ないので、歩道を設置して欲しいです」とし、切実さがにじんでいる。
声の後に誘導看板
意見の下に県道路環境課の回答があり、車道拡幅の目的を説明した後、「ご指摘のように歩行者に対しての案内が不十分なことから路肩を通行される方がおられる状況です。このため、周辺に案内看板を設置し、路肩を歩かず、文化会館敷地内の歩道を通行いただくように案内を行ってまいります」と述べている。
車道拡幅工事が終わったのは3月20日。県が迂回路となる県文化会館広場通路への誘導看板を設置したのは4月22日だった。県が当初、歩行者誘導のために取った措置は、撤去した歩道への横断歩道を消すことだった。
県が4枚の誘導看板を設置した後も、歩道がなくなった市道を歩く人は絶えなかった。「奈良の声」がゴールデンウイーク中の5月3日に調べたところ、歩行者は1時間当たり最大で約100人に上った。県は現在、看板を14枚まで増やしている。
同市道は、道路を新設、改築するときの技術的基準を定めた国の道路構造令などに照らせば、反対に歩道の設置を求められる道路に相当する。