浅野善一
県市町村事務組合が情報公開条例制定、来年4月施行 退職手当基金損失で求める声
奈良県内29市町村などの退職手当支給事務を行っている県市町村総合事務組合(管理者、更谷慈禧・十津川村長)の2015年度第1回組合議会定例会が24日、橿原市大久保町の県市町村会館であり、情報公開条例案と個人情報保護条例案を可決した。施行は来年4月1日。
同組合では12年、退職手当基金の運用で損失が発生したことが明らかになり、情報公開条例の制定を求める声が強くなっていた。
情報公開条例では、開示を実施する機関を組合の管理者、公平委員会、監査委員、議会とし、開示請求権は組合構成市町村の住民に限らず誰にでも認めるとした。また、開示対象は、条例施行日以降に作成または取得した文書。施行日以前の文書についても、保有している文書は開示対象とした。
更谷管理者は議会での提案理由の説明で、「地方自治の本旨に即して、住民の知る権利を尊重し、情報公表施策や情報提供施策と共に、総合的な情報公開を推進する必要があることに鑑み、新たに条例を制定する」と述べた。
同組合が事務局業務を行っている任意団体の県市長会、県町村会、県町村議会議長会、県市町村振興協会の4つについては、条例の対象外とした。同組合事務局は「組合事務局内に4団体の事務局があり、組合から職員を派遣しているが、組合とは別団体であり、情報公開については各団体で決めるのが本来」と話した。