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発行者/奈良市・浅野善一
浅野善一

県庁横、県の歩道撤去が招いた車道歩行者対策 一端の交差点をスクランブル化

スクランブル化された県庁西交差点

スクランブル化された県庁西交差点。ランドセルの小学生が歩いている斜めの横断歩道の先に県文化会館広場通路がある。一方、正面奥の男性3人の前方の車道に撤去された歩道があった。右端の建物は県庁=2016年10月6日、奈良市登大路町

スクランブル化された県庁西交差点付近の地図

 奈良県がバスターミナル計画に伴う車道拡幅のため、県庁横の奈良市道から歩道をなくし、危険な車道歩行を招いている問題で、県と県警は対策として、市道の一方の端にある県庁西交差点を、スクランブル(歩車分離)化した。県はこれによって車道を歩く人を、県が歩道の代わりとする隣接の県文化会館広場通路に、誘導できると考えている。

 このほど工事が完了し、9月30日に供用が開始された。

 県庁西交差点は、同市道が国道369号(大宮通り)に突き当たるT字路で、信号がある。国道を渡ることができる横断歩道はこれまで、交差点の東側だけにあった。撤去した歩道も市道の東側にあった。一方、広場通路は、市道を挟んで反対側の西側にある。このため、県文化会館広場通路を通行して国道を横断するには、いったん市道を横断しなければならなかった。

 県と県警は、同交差点に横断歩道を増設、歩車分離式にして、国道を斜めにも横断できるようにした。2度の道路横断が1度の横断で済むようにした。

 県は、奈良公園を訪れる観光バスの乗降などの拠点として、県庁東側に登大路バスターミナルを計画している。ターミナルに出入りするバスの通行に対応するため、国道369号への出口となる、同市道南行き車線約100メートルを、右左折の2車線に拡幅。これに伴い、南行き車線側にあった同区間の歩道を撤去した。

 歩行者については、看板を設置するなどして、県文化会館広場通路に誘導するようにしたが、歩道がなくなった車道を歩く人が後を絶たなかった。

 県道路環境課はスクランブル化に当たり、9月29日の報道発表や県の広報誌「大宮通りジャーナル」8月号で、県民に向けて広報した。歩行環境が向上したと効果を説明しているが、もともと歩道撤去が招いた事態であることには触れていない。10月22日には正倉院展が始まり、奈良公園周辺の観光客が増えるため、県はそれまでの供用開始を目指していた。【続報へ】

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