由来の説明板を追加 奈良公園に開園の日本庭園
旧山口氏南都別邸庭園の由来を記した仮の説明板=2020年6月19日、奈良市高畑町の奈良公園
簡便な紙の案内表示から変更された旧山口氏南都別邸庭園入り口の仮の看板=2020年6月19日、奈良市高畑町の奈良公園
奈良市の県立都市公園「奈良公園」の高畑町裁判所跡地に開園した、日本庭園「旧山口氏南都別邸庭園」の園内に、庭園の由来を記した説明板が設置された。仮の説明板ではあるが、県奈良公園室は開園当初、「奈良の声」の取材に対し、現地に用意しているパンフレットを見てもらいたいとして、説明板設置の予定はないと答えていた。
説明板は今月9日、入り口を入ってすぐの所に設置された。屋根を載せたデザインで木製、大きさは縦84センチ、横60センチ。張り付けたアクリル板に庭園の由来が記されている。県奈良公園事務所の手作りという。
同事務所によると、今後、正式の説明板を設置するが、庭園の案内図のほか、園内にある石塔や灯籠など由来のあるものにもそれぞれ、個別の説明板を設置する考え。担当者は「現地に行くと、入園者からいろいろと由来を尋ねられ、必要性を感じた」と話した。
県奈良公園室は開園当初、「奈良の声」の取材で「園内には案内図も説明板もなかった」との入園者の声があったことについて、「意見としてうかがう」と述べていた。
説明板の設置に合わせ、入り口の仮表示も、紙に印刷しただけの簡便なものから、説明板と同種のものに変更した。
庭園は先月24日に一般公開が始まったものの、当初、入り口には何の表示もなく、今月5日、庭園の名称や開園時間などが紙で仮表示され、約2週間ぶりに未表示が解消していた。
県の高畑町裁判所跡地活用事業では、広さ1万3000平方メートルの県有地を都市公園に編入。富裕層を狙った高級宿泊施設を誘致するとともに同庭園を整備した。公園施設でありながら利用者が限られる高級宿泊施設の誘致を巡っては、県は一般公開する庭園こそが主役と強調してきた。事業用地一帯は瑜伽山(ゆうがやま)園地と名付けられた。
宿泊施設「ふふ奈良」と別棟の交流・飲食施設「滴翠(てきすい)」は今月5日に開業している。 関連記事へ