ニュース「奈良の声」のロゴ

地域の身近な問題を掘り下げて取材しています

発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

最新ニュースをメールで受け取る【無料】

浅野善一

生活保護申請却下、県取り消し裁決 生駒市長あらためて謝罪 「困った方に寄り添った対応取る」

記者会見に臨む小紫雅史・奈良県生駒市長=2022年1月18日、市役所(「奈良の声」浅野善一撮影)

記者会見に臨む小紫雅史・奈良県生駒市長=2022年1月18日、市役所(「奈良の声」浅野善一撮影)

 奈良県生駒市に生活保護の申請を却下された女性が行った県への審査請求に対し、県が市の却下処分を取り消す裁決をし、市が女性の保護開始を決定するに至った問題について、小紫雅史市長は18日の月例記者会見で、女性への謝罪の言葉を述べるとともに「困っておられる方に寄り添った適切な対応が取れるようしっかり取り組みたい」と表明した。

 記者側からの「県の裁決をどう受け止めたか」との質問に答えた。

 この問題では、1人暮らしをする50代の同女性が昨年4月に行った生活保護申請を、市は母親から扶養の意思を確認できたとして却下。女性はこれを不服として県に審査請求した。県は、実際には女性と母親の同居がなかったことや市が母親の資力を調査していなかった点を「適正と認められない」とし、同年12月14日付で市の却下処分を取り消す裁決をした。これを受け、市は同月27日、同年4月にさかのぼって保護開始を決定、市の担当者が女性に謝罪した。

 小紫市長は会見で、女性の生活保護申請への市の対応について「十分な調査ができていなかった結果、申請を却下した。それが判断として間違っていた」と述べ、「申請をされた方が法律(生活保護法)に定められた、安心して生活できる権利を支援できていなかったことを深くおわび申し上げたい」とあらためて謝罪した。

 その上で、今後の市の生活保護行政の在り方について「コロナ禍もあり、生活していくのが大変な方はまだまだ(増える可能性がある)。困っている方にいっそう寄り添った適切な判断をしていくことが大切。そのために制度の理解、研修、体制の強化にしっかり取り組んでまいりたい」と述べた。

 市は、女性が昨年10月、奈良地裁に緊急的に仮の保護開始を市に義務付けるよう申し立てたのを機に、実際には同年11月から保護を開始している。 続報へ

読者の声

comments powered by Disqus