奈良県域水道一体化 大和郡山市が正式に参加表明 1月22日に市民説明会
奈良県域水道一体化への参加を正式に表明する大和郡山市の上田清市長=2022年12月21日、同市役所
奈良県大和郡山市の上田清市長は12月21日午前の定例記者会見で、県域水道一体化に参加することを正式に表明、県に直ちに通知すると述べた。課題となっていた市民説明会は1月22日午後2時から、同市北郡山町のやまと郡山城ホールで開催するとした。
市と県は、一体化後の内部留保資金の扱い方を巡り対立したが、奈良市が離脱すると県が態度を軟化し、市の要望に添った引き継ぎ資産のルール作りと、2カ所ある市営浄水場のうち昭和浄水場(水源、地下水)存続を荒井正吾知事が承認し、市の参加につながった。
もう一方の北郡山浄水場(水源、地下水)は2026年ごろ廃止されることになる。ダムの水を原水とする県営水道の水とブレンドせずに水道水を供給する県内でも珍しい施設。
一体化の受け皿となる企業団(県と26市町村、一部事務組合)設立の法定協議に参加するには市議会の議決が必要で、市は来年3月の定例会に提案する。
上田市長は「引き継ぎ資産の配分ルール化により、1.5%という高い水準の更新率が維持され、水道料金も単独経営と比べ低く抑えられる」と一体化参加のメリットを強調した。
市が2020年、内部留保資金の一部28億円を一般会計に移転したのは、一体化に参加することが前提だった。県が一体化構想を表明する8カ月前の2017年2月、水道広域化をテーマに県が市町村に対し行った聞き取り調査で市は「井戸(自己水)の方が原価が安いため、すぐに県水転換を進めるのは難しいが、最後まで自立してやっていくこだわりはない」と回答していた。
市議会は昨年3月、「ルールなき県域水道一体化」に反対し、市民の財産と水源を守り渇水・防災に強い水道の存続と充実を求める市民からの請願を、全会一致で採択している。市民説明会では、北郡山浄水場の廃止計画に異論も出そうだ。 関連記事へ