花の公園「財源確保」で駐車場有料化の実験 奈良県営馬見丘陵公園、10月の催し期間中、1回利用500円
馬見丘陵公園北駐車場=2025年9月9日、奈良県広陵町、浅野善一撮影
奈良県は、チューリップなど花の公園として知られる県営馬見丘陵公園(河合町、広陵町)について、持続可能な公園管理に向けた新たな財源の確保のためとして、駐車場の有料化を検討する。10月4~13日の催し「あきいろマルシェ in 馬見フラワーフェスタ」期間中、実験として駐車場の利用1回当たり500円の料金を徴収する。
県の発表によると、同公園は「近年の人件費や物価の高騰により、植栽管理やさらなるにぎわいの創出が困難な状況にある」という。県公園企画課は取材に対し「花の苗やその植え付け管理費用が高騰している」とした。今年4月、春の一番の目玉となるチューリップの株数を、過去最大だった2年前のほぼ半分の35万株に減らしている。これについても同課は「影響の一つ」とした。
県公園企画課によると、同公園の駐車場は7カ所あり、収容台数は計982台。利用台数の記録としては、昨年4月のチューリップフェア期間中の日曜日1日当たりで約4700台というのがあるという。
実験では、駐車場利用者へのアンケート調査も実施する。また、催し期間中の駐車待ちの車などによる周辺道路の渋滞も課題になっているため、広域的な交通誘導も併せて実施する。仮設のLED情報板を周辺の主要交差点に設置し、駐車場の満空情報の提供や駐車場への経路案内を行う。
同公園は広さ56.2ヘクタール。1991年4月に開園した。昨年度1年間の入園者数は約94万人だった。県営公園10カ所の駐車場のうち有料なのは現在、県立奈良公園と県営平城宮跡歴史公園の2カ所。
「あきいろマルシェ」の期間中は約120品種1000株のダリア、約11万本のコスモスなど秋の花々やコキアが見られる。また、飲食関係の出店や地元4町の地域物産品販売もある。
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