「奈良の声」報道受け説明求める 毛皮革くず焼却施設、指定管理者の業務日報未提出問題 宇陀市議会決算審査委で委員
奈良県宇陀市役所=2025年1月、同市榛原下井足、浅野善一撮影
奈良県宇陀市で市毛皮革屑(くず)処理施設の指定管理者が市に事業報告書の業務日報を提出していなかった問題が、9月11日の市議会定例会決算審査特別委員会(勝井太郎委員長、8人)で取り上げられた。問題を明らかにした今年6月の「奈良の声」の報道を受けて、委員が市に説明を求めた。
同問題については、市内の毛皮革産業の業者から排出される毛皮革くずを焼却処分する同処理施設の管理運営を、指定管理者として市から委託されている毛屑・ニベ処理組合が、市への提出が義務付けられている事業報告書のうち、施設の利用状況を示す業務日報を提出していなかったことが、「奈良の声」が市に開示請求した文書で判明。「奈良の声」の指摘で2021年度以降の業務日報が追加で提出された。組合は毛皮革くずを排出する加工業者で構成。
中川ゆり子委員(無所属)は「奈良の声」の報道で事実を知ったとして、あらためて市に説明を求めた。これに対し市商工産業課長は「組合からの実績報告書(事業報告書)の提出は本来、毎年あるべきだが、されていなかった。(今年)5月に3年間分を提出していただいた」と述べた。
また、市から組合への委託料年間900万円のうち半分の450万円が県の産業廃棄物処理事業補助金であることから、中川委員は「補助金への影響はなかったか」とただした。同課長は「影響はない」と答えた。
同問題を巡っては、未提出になっていた業務日報など事業報告書の作成のほか経理など本来、組合が行うべき同処理施設の管理運営に関する事務を市職員が手伝っていたことも分かった。市は今後、事務については組合で実施してもらうよう改めることにしている。
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