情報公開請求できる人の町外拡大、町のために活動かで選別、議論なし 奈良県広陵町議会総文委、改正案を全員一致で可決

情報公開条例改正案などについて審議した奈良県広陵町議会の総務文教委員会=2026年3月16日、同町役場、浅野善一撮影
奈良県広陵町が情報公開の開示請求権を行使できる人を町民以外にも広げる条例改正案が3月16日、付託を受けた町議会総務文教委員会(河野伊津美委員長、7人)で審議された。対象者を「町の公益、発展のために活動する個人や法人、団体」に限定していることから、請求者を町のために活動しているかどうかで選別することになるが、町への質問や意見など議論はなく、全員一致で可決された。本会議での採決は定例会最終日の25日に行われる。
町情報公開条例は目的に「知る権利」の保障を掲げ、町に対し町が保有する情報について公開の義務を課している。ただ、現条例では開示請求権者の範囲を町民のほか、町内に事務所などがある個人や法人、団体▽在勤者▽在学者▽町の事務事業に利害関係がある個人や法人、団体のいずれかの区分に該当する者に限っている。
改正案はこれらの区分に「町の公益、発展のために活動する個人及び法人その他の団体」を追加しようというもの。請求者が町民かどうかを問わないため、町民以外でも開示請求ができるようになる。一方で、請求権者に該当するかどうかを、これまでのように所属先ではなく、活動内容で見ることになり、従来の区分とは性格が異なるものになっている。その上、何が該当するのか、条例上では具体的に示されていない。
町総務課長は同委員会閉会後の「奈良の声」の取材で、「町の公益、発展のために活動する個人や法人、団体」に該当するものについて、町の発展のために市民活動を行っている町外のNPO団体などからアンケートの原情報や町の統計的なデータなどが開示請求されることなどを想定していると述べた。改正案が可決されたら、町内部の情報公開マニュアルにいくつか例示する予定とした。
「町の公益、発展のために活動」かどうかで請求者を選別するのは、行政に説明責任を課す情報公開制度に矛盾しないか。同課長は「これまでは請求権者を町民に絞っていたのでサービスが広がる。請求権者を『何人も』とする考え方もあるが、まずは『町民』の定義を町自治基本条例に沿って広げた」と説明。町のまちづくりの理念を示した同条例は「町民」を「町内に居住する者並びに町内で働く者、学ぶ者、事業を営むもの及び町の公益や発展のために活動するものをいう」としている。
行政監視活動を行う町外のオンブズマンなどから開示請求があった場合については「個別に判断する。(開示する相手が)イエスマンばかりというようなことになってもいけない」と述べた。
条例改正案にはこのほか、町の指定管理者が保有する文書についても開示請求の対象とする規定が追加されている。
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