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第2回「奈良の声」読者会の報告~読者が開く読者の集い

浅野善一

情報公開請求できる人を町民以外に広げるも「町の公益、発展のため活動する個人や法人」に限定 奈良県広陵町が改正案

奈良県広陵町役場=2026年2月28日、同町南郷、浅野善一撮影

奈良県広陵町役場=2026年2月28日、同町南郷、浅野善一撮影

 奈良県広陵町が情報公開の開示請求権を行使できる人を町民以外にも広げる条例改正案を開会中の町議会3月定例会に提出しているが、対象者を「町の公益、発展のために活動する個人や法人、団体」に限定している。請求者を町のためかどうかで選別することにならないか。

 現条例では開示請求権者の範囲を町民のほか、町内に事務所などがある個人や法人、団体▽在勤・在学者▽町の事務事業に利害関係を有する個人や法人、団体に限っている。情報公開請求書は、請求者がどの区分に属するのかを選択するようになっている。

 改正案では、これに「町の公益、発展のために活動する個人及び法人その他の団体」の区分を追加している。請求者が町民かどうかを問わないため、町民以外でも開示請求ができるようになる。この区分を選択した場合には、活動内容を記入してもらうという。

 町総務課長は「奈良の声」の取材に対し、追加の狙いについて「町のためにさまざまな活動をされている方に、町の情報を使って活動していただく」と説明した。対象者には町に関わりのある人たちを想定している。

 同課長は「情報公開条例には、現在の広陵町のような請求権者の範囲が狭いタイプか『何人も』にも請求権を認めるタイプのいずれかが多いと思うが、『何人も』とすると、請求権の乱用があったりとかで肝心な方への対応がおろそかになってしまうこともあり、限定的に広げさせていただいた」と述べた。

 参考にした他自治体の条例はないといい、町独自の考え方とした。町のまちづくりの理念を示した町自治基本条例にある「町民」の定義「町内に居住する者並びに町内で働く者、学ぶ者、事業を営むもの及び町の公益や発展のために活動するものをいう」を参考にしたという。定義に沿って「町民」を広い意味で捉え、請求権者の範囲を広げたという。

 開示請求権者の範囲を町民以外に広げるに当たって、請求者を町のためかどうかで選別していることにならないか。「町の公益、発展のために活動」の区分で請求した町外の人の活動内容が町政に対し批判的だった場合は、どう判断するのか。町総務課長は「総合的に判断する」と述べた。町が請求権者に該当しないと判断した場合は、却下通知に理由も付すという。

 改正案は町議会総務文教委員会に付託されており、3月16日午前10時から開かれる同委員会で審議される。

筆者情報

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奈良県広陵町役場=2026年2月28日、同町南郷、浅野善一撮影

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