ニュース「奈良の声」のロゴ

地域の埋もれた問題に光を当てる取材と報道


第3回「奈良の声」読者会の報告~読者が開く読者の集い

浅野善一

問い合わせ先がコールセンターのみに 込み合い時一方的に切れることも 奈良市議会ホームページ、直通番号公開やめる

奈良市議会=2026年5月22日、同市二条大路南1丁目、浅野善一撮影

奈良市議会=2026年5月22日、同市二条大路南1丁目、浅野善一撮影

 奈良市ホームページの市議会のページに掲載されている問い合わせ先電話番号が、市役所代表電話のコールセンターのみになった。これまでは市役所のほかの課のページと同様に直通電話番号を公開していた。コールセンターのみだと電話が込み合っている場合、保留の自動音声が繰り返された後、一方的に切れてしまうこともある。直通番号公開のどこに問題があるのか、議会事務局に問い合わせたが判然としなかった。

 「奈良の声」記者は今年4月20日夕、市議会事務局への問い合わせのため、市ホームページの市議会のページで問い合わせ先電話番号を確認した。以前のように直通番号はなく、コールセンターの番号のみになっていた。

 電話をすると、自動音声で「オペレーター(電話交換手)へおつなぎいたします。しばらくお待ちください」との案内の後、「ただ今電話が大変込み合っております。恐れ入りますが、このままお待ちいただくか、しばらくたってからお架け直しください」との案内と保留の音楽が繰り返され、しばらくそのまま待っていると、「お架け直しください」の案内を最後に一方的に切れてしまった。

 記者は、まだ直通番号が公開されていたときに手元に番号を控えていたことを思い出し、そちらへ架け直すとすぐにつながった。

 なぜオペレーターにつながらなかったのか。市総務課によると、架かっている電話に対して、オペレーターの対応が追い付いていなかったことが原因とみられるという。現在、オペレーターの数は時間帯で変動はあるが12人前後。これに対し、時間帯でいえば朝、時期でいえば保険料や税金関係の通知が市民に届けられる時期は、問い合わせの電話が集中し、つながりにくくなるという。

 議会事務局総務課に取材した。同課によると、問い合わせ先電話番号をコールセンターのみにしたのは今年1月。経緯については「課内で協議した。協議内容の記録はない。コールセンターがあるので一次受け付けをコールセンターにした」と説明した。これ以上の回答は得られず、理由はよく分からなかった。

 記者が電話した際の体験を伝え、想定していたか尋ねると「していなかった」と述べた。ただ、直通番号を再び公開するどうかについては「(見直しを求める)声が増えるようであれば検討する必要もあるかもしれない」と述べるにとどまった。

 「奈良の声」がウェブ上で確認したところ、近畿2府4県の奈良市以外の県庁所在地の大阪、京都、神戸、大津、和歌山各市のホームページで、議会事務局を含め各部署の直通番号がないのは神戸市だけだった。同市広報戦略部によると、2019年に市役所の各部署の問い合わせ先電話番号をコールセンターに統一したという。市民からの苦情はこれまでのところないとした。コールセンターは和歌山市を除いて奈良市同様、設置されていた。

 「奈良の声」がこのほど奈良市のホームページを確認したところ、107の課別のページがあったが、直通番号がないのは議会事務局だけだった。市総務課は、直通番号を載せるかどうかは各課の判断だとしたが、「こうした(記者の)声があったということを各課に伝えることはできる」と述べた。

 一方で奈良市は電話応対業務の合理化を進めていて、今年秋から、コールセンターへの電話に対し、最初の応対をオペレーターではなく、AIが自動音声で問い合わせに答えるボイスボットに切り替える。総務課によると、ホームページの各課の直通番号も将来的には削除することを検討しているという。

 市ホームページの説明によると、コールセンターでは市の業務や制度の案内・問い合わせなどにオペレーターが答え、個人情報が含まれる問い合わせや専門性の必要な問い合わせなどは担当課へつなぐか、問い合わせ先を案内するかしている。

筆者情報

市民からの問い合わせ電話、AIが自動回答 奈良市役所が今秋から

市民からの問い合わせ電話にAIを利用した自動回答を導入することについて発表する仲川げん奈良市長=2026年2月10日、市役所、浅野善一撮影

読者の声