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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一
浅野善一

県庁横の歩道撤去 県、歩行者誘導の看板倍増8カ所に 車道歩く人絶えず

歩行者を奈良県文化会館広場通路(右)に誘導するため、新たに設置された看板

歩行者を奈良県文化会館広場通路(右)に誘導するため、新たに設置された看板。左が奈良市道で、男性が歩いている所に歩道があった。奥の建物は県庁=2015年6月22日、奈良市登大路町(トップページの写真は、県文化会館広場通路のもう一方の入り口付近)

 奈良県が県庁横の奈良市道において、車道拡幅のため歩道を撤去した問題で、県は22日までに、歩行者を代替の広場通路に誘導する看板の設置個所を当初の倍の8つに増やした。看板があちらこちらに立つ結果になっている。同市道では歩道撤去後、危険な車道を歩く人の姿が絶えない。

 市道は、同市登大路町の県庁の西側を南北に走っている。歩道は、市道東側に100メートル余りにわたってあった。車道拡幅工事はことし3月に完了した。県は、市道の西側に面している県文化会館広場通路で歩道の代替機能を確保するとした。ゴールデンウイーク初めの4月末ごろ、歩道が撤去された区間の南北両端など計4カ所に、歩行者を誘導する看板を設置した。

 しかし、車道だけになった市道を歩く人の姿は絶えなかった。「奈良の声」がゴールデンウイーク中の5月3日に現地で行った調査では、車道を歩く人の数は午前10時~午後4時の間で、1時間当たり最大約100人に上った。この日、奈良公園前にある県庁の周辺は観光客でにぎわっていた。

 県道路環境課などによると、追加の看板は今月16日、代替の通路の南北両端など広場内計4カ所に設置された。「路肩を歩くのは危険です」「遊歩道を通行してください」「歩道はありません」などの注意書きと通路の案内図がある。今回は、赤地に白抜きの文字を使って目に付くようにし、英語の表記も添えた。当初に設置した看板の幾つかも同様のものに更新した。このほか、広場にある県立美術館の既設の催し案内板1カ所の裏面も利用した。

県「歩行経路、迷うことないよう看板充実」

 同課は看板追加の理由について、「これまで歩道を利用されていた方や来訪者の方が歩行経路の分岐を認識し、迷うことなく安全に通行していただけるよう、分岐地点において案内誘導看板を充実した」と説明した。

 県庁前の奈良公園登大路園地では今月19日から28日まで、観光客らにビールなどを提供する県共催の行事、奈良オクトーバーフェスト2015が開かれ、周辺は人通りが増えている。

 同市道の車道拡幅は、県が県庁の隣で進めている観光バスターミナルの整備に伴うもので、バスの通行を容易にするのが狙い。

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