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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

奈良市の犬猫殺処分、2年連続でゼロ 2020年度結果を発表 譲渡の機会が拡大

奈良市の犬猫の譲渡数と殺処分数の推移

犬猫の殺処分ゼロについて発表する仲川奈良市長=2021年5月13日、市役所(撮影・浅野善一)

犬猫の殺処分ゼロについて発表する仲川奈良市長=2021年5月13日、市役所(撮影・浅野善一)

譲渡の機会を待つ奈良市の保護猫(市提供)

譲渡の機会を待つ奈良市の保護猫(市提供)

奈良市の犬猫譲渡会(市提供)

奈良市の犬猫譲渡会(市提供)

 奈良市は13日、市保健所が2020年度に収容した犬猫の殺処分がゼロだったと発表した。殺処分ゼロは2019年度から2年連続。飼いたい人への譲渡も過去最高の173匹だった。12年前の2008年度は殺処分が663匹に上る一方、譲渡はわずか4匹だった。仲川げん市長が同日の定例会見で明らかにした。

 市によると、多数を占める猫の不妊去勢手術が普及して収容数が減少した一方で、保護した犬猫を預かってもらうボランティア制度の創設により譲渡の機会が増えたことが、殺処分の減少につながった。

 2020年度に市保健所が収容(引き取り・負傷救護・捕獲)した犬猫は194匹で、内訳は犬が24匹、猫が170匹。これに対し、処分は譲渡が173匹(犬15匹、猫158匹)、返還が10匹(すべて犬)、負傷などによる自然死・安楽死が12匹(犬1匹、猫11匹)で、殺処分はゼロだった。

 市は殺処分ゼロを目標に掲げ、年に大小数回の譲渡会を開くほか、2015年に譲渡ボランティア制度、2017年に譲渡動物不妊去勢手術補助金制度、2018年に犬猫パートナーシップ店制度と預かりボランティア制度、飼い主のいない猫への不妊去勢手術補助金制度を設け、達成に努めてきた。

 譲渡ボランティアには譲渡までの飼養、預かりボランティアには幼齢猫や人になれていない犬猫の世話をしてもらう。ボランティアに対しては現在、1匹につき1日に当たり200円(最大30日)の謝礼を支給している。犬猫パートナーシップ店に認定されたペットショップは、犬猫の購入者に終生飼育の誓約書を提出してもらう取り組みに協力している。

 飼い主のいない猫への不妊去勢手術補助金は、野良猫に不妊去勢手術を受けさせた地域住民などに支給する。

 このほか、2020年6月には市ふるさと納税の寄付項目に「犬猫殺処分ZERO(ゼロ)プロジェクト」を追加し、同年度中に498件1025万円の寄付を集めた。今年度、517万円を飼い主のいない猫への不妊去勢手術補助金などに充てる。

 市は今年度、新たな取り組みとして、飼い主のいない猫を捕獲し、不妊去勢手術を受けさせ、元の場所に帰すTNR活動を支援するボランティアに1件当たり5000円の謝礼を支給する制度を設ける。また、不妊去勢手術の補助金を1匹当たり1万円から1万2000円に増額する。

 仲川市長は会見で「私が市長に就任した12年前は殺処分が非常に多く、全国的にも犬猫に対し厳しい市であるとたくさんの批判の声をいただいた。2年連続で殺処分ゼロを実現できたことは大きな自信につながっている。奈良市でできることは他の自治体でもできるのではないかと思う。奈良県全体で殺処分がゼロになるよう奈良市の事例も皆さんに共有していただければ」と述べた。

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