公共施設の屋外分煙施設反対 香芝、市民が請願書 設置を決議した議会に憤り
公共施設敷地内に喫煙所を新設しないよう求める請願書を市議会に提出する「市民の声」の曽根秀一代表(右)=2022年2月14日、香芝市役所
奈良県香芝市議会が、敷地内禁煙を実施している市役所などの市公共施設に喫煙ができる屋外分煙施設を設置するよう求める決議を可決したことを巡り、「喫煙所新設に反対する市民の声」(曽根秀一代表)は14日、市議会に対し、市の公共施設敷地内に喫煙所を新設しないよう求める請願書を提出した。
請願書によると、改正健康増進法の趣旨を尊重するなら受動喫煙を防止する最大の取り組みは喫煙させない環境をつくること▽県のなら健康長寿基本計画は県内市町村庁舎敷地内での禁煙達成率の2022年度目標値を100%と定めている▽香芝市は2018年、県内でいち早く受動喫煙防止条例を制定、同時に実施された市役所敷地での禁煙も定着している―という。
この日は、曽根代表ら請願書に名前を連ねた「市民の声」の14人のうち約10人が市議会を訪れた。請願者の一人は「市議会の決議は、ヘビースモーカーを自認する市民でもおかしいと言っている。市民の声を反映すべき議会が市民の声を聞いていない」と憤った。
一行は市議会に請願書を提出した後、福岡憲宏市長にも喫煙所を新設しないよう要請した。面談に応じた福岡市長は、議会での決議の提案理由で市役所敷地を一歩出た所で受動喫煙が起きているとの説明があったことについて「喫煙者は市民なのか職員なのか。職員ならマナーの問題で職員に注意しなければいけない。市民なら市民が市役所にいる時間を短縮できるよう窓口事務をスムーズにしなければいけない」などと語った。
昨年12月17日の市議会12月定例会で行われた決議の採決では、10人の議員が賛成した一方で5人が反対した。請願書の紹介議員として名前を連ねた4人の議員の中の一人、青木恒子議員(共産)によると、決議案は定例会本会議の当日、開会直前に提案者の眞鍋亜樹議員(無所属)から示された。
青木議員は「議会の常任委員会で議論を深めるプロセスがなかった点が大きな問題。敷地内禁煙導入から現在までの経過があると思うが、担当課の意見などを聞かず、質問できる回数が決められている本会議だけで決まった」と批判した。
「市民の声」は3月3日午後3時から、同市藤山1丁目の市ふたかみ文化センターで発足式を開く。現在は準備会として活動している。 関連記事へ