平群町が役場敷地内を全面禁煙 受動喫煙防止で7月から 県内市町村2例目
平群町役場入り口に設置された敷地内全面禁煙を知らせる看板=2016年6月29日、同町吉新1丁目
奈良県平群町は、7月1日から役場敷地内を全面禁煙にする。住民や職員の受動喫煙防止を図る。県のことし4月の調査によると、県内39市町村で庁舎の敷地内禁煙を実施しているのは王寺町のみで、平群町は2例目となる。
同町は2007年4月、役場建物内の禁煙を実施したが、建物の外の指定された場所では喫煙ができた。役場の出入り口に「火消し用」として置いていた灰皿は、2年ほど前に撤去した。
町総務防災課の担当者によると、町内部の安全衛生委員会(委員長、中島伊三郎・副町長、各課長や町職員労働組合などで構成)は受動喫煙防止について協議を重ね、敷地内禁煙を実施すべきと判断、昨年11月、岩崎万勉町長に結論を報告した。また、町の健康づくりボランティアである、たばこ対策推進員も岩崎町長に対し、敷地内禁煙実施の要請を続けていた。
敷地は駐車場も含み、町は禁煙実施に当たり、29日までに役場の出入り口や建物内、駐車場に周知のための看板やポスターを設置した。町の広報紙にも掲載した。
29日、役場を訪れていた60代の町内の女性は「たばこの煙は不快。健康にもよくない。外食するときも禁煙席を選ぶ。敷地内禁煙は賛成」と歓迎していた。
先行の王寺町は2012年12月から敷地内禁煙を実施している。県健康づくり推進課のことし4月の調査によると、県内市町村庁舎の多くは建物内禁煙だが、一方で、大和郡山市と河合町は本庁舎、議会共に分煙、奈良市、橿原市、桜井市、御所市、斑鳩町、吉野町は議会が分煙にとどまっている。
2002年に制定された健康増進法は、学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店など多数の人が利用する施設の管理者に対し、受動喫煙防止の努力義務を課している。 関連記事へ