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ジャーナリスト浅野詠子

メガソーラー許可取り消し求め住民が意見陳述 奈良地裁、平群の計画巡る訴訟

奈良地裁前で県のメガソーラー許可取り消しを求めて横断幕を掲げる住民ら=2024年3月7日、奈良市登大路町

奈良地裁前で県のメガソーラー許可取り消しを求めて横断幕を掲げる住民ら=2024年3月7日、奈良市登大路町

 奈良県平群町内の大規模太陽光発電(メガソーラー)計画に対し、反対する地元住民が県の許可の取り消しを求めた訴訟の第2回口頭弁論が3月7日、奈良地裁(寺本佳子裁判長)であり、反対住民による意見陳述などが行われた。

 同町椿台1丁目の住民が意見陳述した。開発業者(東京都港区)が2021年3月、地元自治会に行った説明会で、関係河川の流域(水路)が一部変更になることを知らせなかったことについて「2日後の町議会全員協議会で報告されていた」として、業者の情報提供の在り方を批判した。

 さらにこの住民は、開発に伴う調整池の現場で花こう岩が風化した真砂土の色の地山とは全く違う黒い土を見つけ、(同住民が以前仕事で携わった)シールド工事(阪神高速大和川線の地下トンネル掘削)の掘削泥土と非常によく似ていたと証言。「そうであれば産業廃棄物に該当し、捨てた者が原形に復旧するのがルール。産廃とする確証はないが、現地調査を要請したい」と訴えた。

 計画地の山林伐採は2021年から始まった。洪水対策の計算に誤りがあり、県はいったん工事を停止させたものの昨年2月、開発を許可した。訴訟でも平群町が管理する流域を含む水害防止策などについて、原告側の須藤啓二町議らが新たな疑義を示し、争点の一つになっている。

 住民らは開発業者を相手取り、工事差し止めの訴訟も行っており、この日は同じ寺本裁判長の指揮で審理が行われた。原告弁護団の1人は閉廷後の住民集会で「3月中に(裁判所から)何らかの方向が出される可能性がある」との見方を示した。

 この日は住民ら約80人が裁判傍聴のために訪れ、傍聴券を得るための抽選で人垣ができた。開廷前、開発に反対する住民らが裁判所前の路上で県の姿勢を批判する横断幕を掲げ、奈良公園に向かう行楽客らにアピールした。 関連記事へ

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