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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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ジャーナリスト浅野詠子

メガソーラー計画で住民説明会 奈良・平群、電磁波懸念で送電ルートの変更案示す

大規模太陽光発電計画について住民に説明する事業者(正面奥)=2024年2月3日、平群町西宮2丁目の町健康福祉センター

大規模太陽光発電計画について住民に説明する事業者(正面奥)=2024年2月3日、平群町西宮2丁目の町健康福祉センター

 奈良県が許可した平群町内の大規模太陽光発電(メガソーラー)計画を巡り、反対する地元住民が許可の取り消しを求め訴訟に発展している問題で、工事を再開した東京都港区内の法人が2月3日、同町西宮2丁目の町健康福祉センターで説明会を開催。電磁波の影響を懸念する住民の意見を受け、計画していた送電ルートの一部を廃止する方針を明らかにした。

 同町櫟原の山林用地48ヘクタールにソーラーパネル5万8000枚を設置する計画。 廃止を決めたのは発電所から変電所までの送電ルート約3キロメートルのうち、同町西向の町道の地中に送電線を埋設するルート。800メートルほどと見られる。住民から、生活道であることや電磁波の影響を懸念する意見が出ていた。

 事業者側は「十分な説明がないまま町役場と一体となり、強力に計画を推し進めようとし、ご迷惑を掛けた」と住民に謝罪した。年間約100万円の賃料を平群町に支払う予定だった。

 ルート変更に伴う代わりのルートについては電磁波の発生を低く抑える方法を検討するとしたが「電磁波に害があるかどうかは分からない」とも述べた。

 建設を請け負った村本建設も同席し、現在工事中の調整池外周擁壁工などについて説明。送電線の試験運転は2026年4月ごろを目指すという。新たな送電ルートの案が示されたが、地中化、電柱いずれの選択肢に対しても、大地震の被害などを想定した反対意見が多数出た。地中化については「水道管、ガス管の近くを通してよいのか」との質問もあった。

 計画地の山林伐採は2021年から始まった。洪水対策の計算に誤りがあり、県はいったん工事を停止させたが、昨年2月、開発を許可。住民側は許可の取り消しを求め同年8月、奈良地裁に提訴した。

 説明会は住民120人が参加。昨年8月から住民側が開催を求めてきた。

 会場では「大和川大水害(1982年)と同規模の豪雨に見舞われる仮定をすると、現在の調整池の容量では安全といえない」と訴える人や「良好な住環境を求めて移住した。何万枚ものパネルを見て暮らすのか」と景観の変化に不賛成の意見もあった。林地の開発を許可した県森と人の共生推進課、治水を担当する県河川整備課は説明会が開かれることについて「係争中であり、具体的なコメントは差し控えたい」と話した。

 説明会開催に当たって、事業者側は報道関係者に対し会場への入場を認めていなかった。「奈良の声」記者は事前にそれを知らず、会場内で取材した。説明会終了後、事業者側に話を聞こうと取材者であることを伝えた時点で知った。会場内での取材結果は「奈良の声」の判断で掲載した。

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