京都府精華町の祝園弾薬庫増強で奈良市民が学習会
精華町の陸上自衛隊祝園分屯地の弾薬庫増強計画を取り上げた学習会=2024年4月5日、奈良市中町の富雄南公民館
奈良市や生駒市に隣接し、学研都市としても知られる京都府精華町の陸上自衛隊祝園分屯地の弾薬庫を増強する計画が、国の2024年度予算に盛り込まれた。国会での審議も注目を集めている。この弾薬庫の動向をテーマにした学習会(グループ「談」主催)が4月5日、奈良市中町の富雄南公民館で、精華町民を講師に開かれた。参加した市民ら30人は問題を身近な脅威として捉え、熱心に耳を傾けた。
講師を務めたのは、現地に隣接する精華町光台に住み、動向を調査研究する住民男性。8棟の大型弾薬庫を新設する防衛省の計画について「長距離ミサイルが格納されるとみられる。重要土地等調査法の対象になっており、対象地域の不動産評価額が下がることが懸念される」と訴えた。
学習会では、弾薬庫の所管が米軍から自衛隊に移管された1960年2月当時の行政文書も紹介された。精華町長と防衛庁(当時)大阪施設部長らが取り交わした確認書の写しで「土地、貯蔵施設は拡張しない」などと明記されており、参加者の注目を集めた。
今年3月、国会の参議院外交防衛委員会で、この確認書を取り上げた山添拓議員(共産)の質疑の模様も放映された。確認書の効力などについて複数の質問を投げかける山添議員に対し「契約ではない」と繰り返す政府側の答弁に、首をかしげる参加者もいた。
グループ「談」の世話人、吉田佑子さんは「日本全土の基地強靱(きょうじん)化の一環であり、精華町だけの問題ではないと思う。1人でも多くの県民に知らせたい」と話した。