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地域の埋もれた問題に光を当てる取材と報道


浅野善一

公示文書の掲示板も市役所正面から姿消す 奈良市、芝生広場整備機に庁舎内に移転

奈良市役所庁舎内に移転された掲示板=2024年9月4日、同市二条大路南1丁目

奈良市役所庁舎内に移転された掲示板=2024年9月4日、同市二条大路南1丁目

 奈良市役所正面入り口の「奈良市庁」の銘板が芝生広場の整備に伴って撤去された問題で、銘板の近くの通りに面した所にあった掲示板も庁舎内に移転されていたことが分かった。掲示板は市の条例や規則の公布、市営住宅入居者募集の告示、入札の公告などの公示文書の掲示場所に指定されている。

 移転は今年4月1日。これまでは市役所正面入り口の向かって右側の通り沿いの生け垣の一角に設置されていた。市資産管理課によると、幅が約3.6メートル、高さが約1メートルあり、アルミ製でガラス戸が付いていた。公示文書の掲示板への掲示は市公告式条例や市公告式規則で定められている。

掲示板が撤去された跡。生け垣がくぼんでいる部分=2024年9月4日、同市二条大路南1丁目

掲示板が撤去された跡。生け垣がくぼんでいる部分=2024年9月4日、同市二条大路南1丁目

 移転先は市役所東棟。入り口を入ってすぐの壁にこれまでと同じ大きさ、形態のものが設置された。警備員室の前にあり、24時間、外部からの出入りが可能という。

 芝生広場整備を担当した市資産管理課によると、掲示板は古くなっていたこともあり、広場整備に伴って設置場所を検討。生け垣は従来のまま残っているが、市法務ガバナンス課によると「屋外だと老朽化しやすい」との判断から移転を決めた。

 隣接の生駒市、大和郡山市、天理市などではこれまでの奈良市と同様、市役所正面の通りに面した通行人の目に付きやすい所に設置している。法務ガバナンス課は「利便性の点では変化はない」としている。掲示板を撤去した跡に移転を知らせる案内は掲示しなかったが、移転先の問い合わせはなかったという。

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