浅野善一
奈良県香芝市議会懲罰問題 議員が差し止め申し立て取り下げ 出席停止処分見送りで訴え利益なくなり
香芝市役所=2022年9月28日、同市本町
奈良地裁が香芝市議会の青木恒子議員(共産党)の申し立てを認めて、議会に同議員の出席停止処分を行わないよう仮の差し止めを命じたことに対し、議会側が即時抗告していた問題で、青木議員は14日までに、大阪高裁に申し立ての取り下げを伝えた。市議会懲罰特別委員会は地裁の決定を受けて本会議への出席停止処分の提案を見送っており、訴えの利益がなくなっていた。
青木議員の代理人弁護士によると、10月7日付で高裁に取り下げ書を送った。
青木議員は、昨年12月の市議会福祉教育委員会での川田裕議長への発言が侮辱に当たるなどとして陳謝文朗読の懲罰を科されたが、処分に納得できず4度にわたって拒否。市議会懲罰特別委員会は今年8月18日、出席停止8日間の処分を決定し、本会議への提案を予定した。
一方、地裁は青木議員の申し立てに対し、「裁量権の範囲を超える」などとして9月1日付で同処分の仮の差し止めを決定。これを受け、同特別委は処分内容を再審査。出席停止処分より軽い陳謝文朗読に変更して同月29日、本会議に提案、可決された。
青木議員は新たな処分についても納得せず、陳謝文の朗読を拒否、再び懲罰動議が提出された。動議は今後、懲罰特別委員会で審査される。 関連記事へ