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浅野善一

「二元代表制の建前に抵触」示唆 三橋・奈良県香芝市長が答弁 前市長時代、小学校統廃合案など検討の議長が会長の諮問機関

奈良県香芝市役所=2024年6月26日、同市本町

奈良県香芝市役所=2024年6月26日、同市本町

 奈良県香芝市の三橋和史市長は6月27日の市議会定例会一般質問で、同月19日付で廃止した前市長時代の諮問機関「市公有財産有効活用検討会議」について、「仮に議員を含む会議体が市長のすべき意思決定をしていたのであれば、二元代表制の建前に抵触するものであることは否定できない」と断定は避けつつも明言した。

 同検討会議は福岡憲宏前市長時代の2022年7月に川田裕議長の提案で設置され、同議長が会長に就任、小学校の統廃合案などを検討してきた。新聞報道によると、三橋市長は6月3日の就任日の会見で、市長の諮問機関に議員が入っていることを問題視し、議会とは適切な距離を保つ必要があるとした。「奈良の声」は検討会議について、二元代表制の形骸化が懸念されると昨年8月以降、記事で指摘してきた。議会の一部からも批判の声が上がっていた。

 定例会では青木恒子議員(共産)の質問に答えた。同議員は検討会議について設置した福岡前市長に最も責任があるとした上で、二元代表制の観点からどう考えるのか認識をただすとともに、市として問題点を総括するよう求めた。

 三橋市長は「検討会議の内容を細かく承知していないが、仮に職員が担うべき事務や市長がすべき意思決定を、議員を含む会議体が実質的にしていたのであれば、議会に付議する前に審議することになり、望ましくない。二元代表制の建前に抵触するものであることは否定できない」と述べた。

 その上で「今後、職員については私の方針に従って事務を遂行していただくことが何より重要と考えている。執行部と議事機関の役割分担を明確にした上で行政を執行してまいりたい」と述べた。総括については「検討会議の在り方が正しかったかどうかは判断が分かれるところであり、現時点で検証の予定はない」とした。

 同検討会議の委員は川田議長のほか、市の各部局の長と議員2人。会議の設置や議員の委員の選任は議会全体には報告されず、会議も非公開だった。こうした運営の下で、統廃合を伴う小学校再編や公立幼稚園・保育所再編の基本方針が検討され、議会に提出され、可決された。検討結果は中間報告として当時の福岡市長に提出された。三橋市長は弁護士。

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