解体ごみ持ち込み2021年に把握、撤去指導長期に及ぶ 奈良市長が答弁、東部山間部

山あいの一角に積み上げられた解体ごみ=2026年4月29日、奈良市、浅野善一
奈良市の廃棄物収集運搬業者が市東部山間部に所有する車庫敷地の一部に建物の解体ごみが持ち込まれ、積み上げられている問題が、6月15日の市議会定例会一般質問で取り上げられ、市がこれまでの経緯を明らかにした。それによると、市が初めてごみを確認したのは2016年で、その後も持ち込みがあった。現在あるごみは2021年に把握したもので、廃棄物処理法違反が疑われることから2023年から撤去を求める行政指導を行っていた。問題が長期に及んでいることが分かった。
この問題は今年3月26日付の「奈良の声」の記事で明るみになった。現在の現場の状況については、記者が4月29日に車庫敷地の隣接地から確認したところ、建物の解体ごみとみられるがれきの山が見えた。「奈良の声」が車庫敷地の登記簿を確認したところ、この収集運搬業者は2015年に土地を取得していた。
この日は太田晃司議員(自由民主党)が質問、仲川げん市長が答弁した。
市長の答弁によると、市は2016年、廃棄物対策課職員のパトロールによりごみの投棄を把握。投棄した人物に撤去するよう行政指導を行った結果、いったんはすべて撤去されたという。
その後、2021年、新たに「建設混合廃棄物等」が保管されていることを把握。保管の行為者がこの収集運搬業者とは別の事業者であることが判明し、撤去指導の開始は2023年となった。ごみの量から、すべてがこの事業者が自ら排出したものとは言い難かったという。第三者が排出した産業廃棄物を搬入したり、保管したりするには産業廃棄物処理業の許可が必要だが、この事業者は収集運搬業者と土地の賃貸借契約を締結しただけだった。
指導開始後、この事業者は撤去資金の不足を申し立て、撤去作業が停滞することもあったが、撤去計画書を提出させるなどして、これまでに数回の撤去作業が行われたという。指導は、収集運搬業者と事業者の双方に対し、口頭、文書交付、報告徴収などの方法で行っているという。直近では5月26日に撤去作業が行われた。
仲川市長は「周辺の市民の皆さまの不安を払拭するためにも、より実効性のある対応が必要であると認識している。撤去が進むように、より厳しい指導を行っていきたいと考えている」と述べた。ただ、残っているごみの量や撤去の完了時期について言及はなかった。
太田議員は「事業者に具体的な撤去計画を求めてから3年近くが経過している。改善が進まない場合には県と連携して実効性のある対応をしていただきたい」と要望した。
この廃棄物収集運搬業者は、事業者から集めたごみ(一般廃棄物)を焼却施設に運ぶ過程で、無許可で保管し積み替える作業をしていた疑いがもたれ、奈良市から繰り返し行政指導を受けていた。「奈良の声」が同じ3月26日付の記事で伝えた。
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