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地域の埋もれた問題に光を当てる取材と報道


第3回「奈良の声」読者会の報告~読者が開く読者の集い

浅野善一

ごみ越境、持ち込み先の天理市からも行政指導 奈良市で無許可保管、積み替え疑われた収集運搬業者の問題で

奈良市の廃棄物収集運搬業者が市内で積み替えたごみを持ち込んだ天理市の「やまとecoクリーンセンター」のごみ搬入口=2026年6月14日、同市岩屋町、浅野善一撮影

奈良市の廃棄物収集運搬業者が市内で積み替えたごみを持ち込んだ天理市の「やまとecoクリーンセンター」のごみ搬入口=2026年6月14日、同市岩屋町、浅野善一撮影

 奈良市の廃棄物収集運搬業者が事業者から集めたごみを自治体のごみ焼却施設に運ぶ過程で、無許可で保管や積み替えをしていた疑いがもたれ、奈良市から繰り返し行政指導を受けていたことを、「奈良の声」は今年3月、明るみにした。その報道の中で、積み替えられたごみが越境して、天理市内のごみ焼却施設に持ち込まれる現場を確認したことを伝えたが、天理市がこれを受けて業者に対し、再び市外のごみを持ち込まないよう行政指導していたことが分かった。

 廃棄物処理法により、市町村で発生する家庭ごみや事業者のごみ(産業廃棄物を除く)は、当該市町村に処理責任がある。家庭ごみは市町村が直接収集するが、事業者が排出するごみは市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を得た業者が収集し、当該市町村のごみ焼却施設に持ち込む。

 ごみが持ち込まれた天理市岩屋町の「やまとecoクリーンセンター」は天理市など10市町村で共同運営。問題の業者は天理市の収集運搬業の許可を得ており、同市内の事業者から集めたごみは同センターに持ち込むことができた。一方で、ごみの保管や積み替えが疑われたこの業者の施設は奈良市内にあるため、ここで積み込んだごみは本来なら同市のごみ焼却施設に持ち込む必要があった。この業者は奈良市の収集運搬業の許可がなかった。2024年9月、自ら返上して許可を廃止されていた。

 「奈良の声」が「やまとecoクリーンセンター」にごみが持ち込まれる現場を確認したのは今年2月28日。奈良市内のこの業者の施設での作業の様子を付近から確かめた。戻ってきたパッカー車がごみを降ろしたり、施設倉庫内のごみをパッカー車に積み込んだりしていた。ごみを積み終えて出ていくパッカー車の跡を追った。持ち込み先は同センターだった。一連の取材の結果を記事にして3月26日付で掲載した。

 取材に応じた天理市環境業務課長によると、同課は記事掲載後の4月1日、同施設を訪れ、報道を踏まえて業者の代表者から聞き取りを実施、奈良市内の施設で積み込んだごみを同センターに持ち込んだことを認めたため、再び許可区域外からごみを持ち込むことがないよう同日付で行政指導を行った。

 奈良市では3月の報道後、仲川げん市長が取材に答えて、状況によっては厳しい姿勢で臨む考えを明らかにしていた。現在、同施設でごみの保管や積み替えが行われている様子はない。市廃棄物対策課長によると、確認のためこれまでに何度も現場に足を運んでいて、5月15日にも施設倉庫内にごみが積み置かれた状況は解消されていることを確認したという。同課長は今後も目を光らせるとしている。

筆者情報

解体ごみ持ち込み2021年に把握、撤去指導長期に及ぶ 奈良市長が答弁、東部山間部

山中に積み上げられた解体ごみとみられるがれき(車庫敷地の隣接地から)=2026年4月29日、奈良市、浅野善一撮影

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