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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

生活保護申請却下を巡る訴訟 損賠請求に切り替え 女性、国賠法上の違法性問う 生駒市は棄却求める

生駒市の生活保護を巡る訴訟が行われている奈良地裁=奈良市登大路町

生駒市の生活保護を巡る訴訟が行われている奈良地裁=奈良市登大路町

 母親の扶養意思が確認されたことを理由に生活保護の申請を却下された50代の女性が奈良県生駒市を相手取り、却下処分の取り消しを求めた訴訟は、女性が申し立てていた国家賠償法に基づく損害賠償請求への切り替えが認められ、女性は26日、奈良地裁(寺本佳子裁判長)で開かれた第4回口頭弁論で、市に対し495万円の損害賠償を請求する主張を行った。

 女性の代理人弁護士によると、損害賠償請求の対象とした市の行為は、もともとの訴えで取り消しを求めていた2021年4月の保護申請の却下処分のほか、同年7月の2度目の保護申請に対する却下処分、さらにこれらの保護申請の原因となった2020年12月の保護廃止処分の計3件。それぞれについて165万円の損害賠償を求めている。

 弁護士によると、これに対し市側は、この日までに裁判所に提出した書面で、「保護申請の却下に国家賠償法上の違法性はない」などとして、女性の請求の棄却を求める答弁をした。

 訴状などによると、女性は一人暮らしをしながら生活保護を利用していたが、市は2020年12月、母親との同居を前提に保護を廃止。しかし、同居には至らず、女性は生活に困窮。2021年4月と同年7月の2度、保護を申請したが、市はいずれも母親との同居を前提に却下した。

 代理人の一人、古川雅朗弁護士は取材に対し、「一連の経過からすると、市の行為には国家賠償法上の違法性があり、損害賠償の必要があるということを裁判所に考えてほしい」と話した。

 訴訟では、女性は2021年4月の申請却下処分について取り消しを求めて提訴したが、女性が提訴に先立って行った県への審査請求で、県は提訴後の同年12月、市の却下処分を取り消す裁決を行った。市がこれに従い女性の保護を開始したため、訴訟のもともとの目的は達成されている。

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