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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

生活保護のしおり、奈良県内10自治体が見直し 「よくする会」が点検、改善申し入れ

「よくする会」総会で展示された改善申し入れ前と後の「生活保護のしおり」=2023年9月16日、奈良市中筋町の奈良弁護士会

「よくする会」総会で展示された改善申し入れ前と後の「生活保護のしおり」=2023年9月16日、奈良市中筋町の奈良弁護士会

 「奈良県の生活保護行政をよくする会」(代表世話人・古川雅朗弁護士)は、福祉事務所を設置する県内自治体の「生活保護のしおり」を対象に実施した点検を踏まえて行った、各自治体への「しおり」の改善申し入れの結果をまとめた。居住用不動産は原則保有可能であることの記述の追加など、14自治体のうち10自治体が何らかの見直しを行った。

 同会は、県内で生活保護利用者らの支援活動などに取り組む人たちで組織。「生活保護のしおり」は、生活保護の申請を考えている相談者向けの制度の案内書で、各自治体がそれぞれ作成しているが、支援活動に取り組む中で記述内容に問題があることが分かってきたという。

 同会は各自治体の「しおり」を41項目にわたるチェックシートで採点、2022年11月、結果を記者会見で公表するとともに、県、奈良市など12市、十津川村に対し、改善が必要な点を示した申し入れ書を送付するなどした。十津川村を除く県内町村は県中和、吉野の2福祉事務所が管轄している。

 9月16日、奈良市中筋町の奈良弁護士会で開かれた同会の総会で、事務局の赤山泰子さんが申し入れの結果を報告した。

 それによると、申し入れ前の14自治体の「しおり」の採点の平均はマイナス5点だったが、申し入れ後は18点に上昇したという。見直しを行ったのは県や奈良市など10自治体。一方、見直しがなかったのは4自治体で、このうち香芝市は申し入れ前の点数による比較では上位だったが、申し入れ後は相対的に順位が下がった。橿原市は申し入れ直前に改訂を終えていた。

 改善例としては、居住用不動産が原則保有可能であることを記述する自治体が2から8に▽125cc以下のバイクの保有が可能であることを記述する自治体が2から7に▽生活保護の要否の決定は申請から原則14日以内であることを記述する自治体が6から11に、それぞれ増加したことなどが挙げられた。

 県は同会の申し入れを受けて、中和、吉野福祉事務所の「しおり」を改訂するとともに、12市と十津川村にサンプルとして送付したという。

 赤山さんは「改訂された『しおり』のチェックを続けたい。『しおり』や生活保護の申請書が市民の手に取りやすい場所に設置されているかや、ホームページでの記載もチェックできれば。結果を踏まえて県にも申し入れをしたい」と述べた。 関連記事へ

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