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発行者/奈良市・浅野善一
浅野善一

県の登大路ターミナル予定地、都市計画道路を見直しか 14年3月県議会予算委で「拡幅は市街地に大きな影響」

拡幅が都市計画決定されている国道369号

拡幅が都市計画決定されている国道369号。登大路ターミナルの整備が予定されている左の築地塀の向こう側へと、道路を広げる計画になっている。奥は奈良県庁分庁舎=2015年12月28日、奈良市登大路町

 奈良県が奈良公園の観光拠点施設として、奈良市の県庁横に整備しようとしている登大路ターミナルをめぐる問題。建物の一部は、都市計画道路(国道369号の拡幅)の予定区域内に計画されている。道路の拡幅が具体化したときはどうするのか。県は一昨年3月の県議会予算審査特別委員会で、ターミナル予定地付近の区間について、廃止か見直しが必要と表明していた。県議会の委員会記録から分かった。

 当時はまだ、ターミナルの具体像が明らかになっていなかった。県の答弁は、同区間について、委員からの「道路を拡幅すれば既存の市街地への影響が大きく、見直しが必要では」との趣旨の質問に対するものだったが、ターミナルも都市計画道路の廃止または見直しを想定して計画されたものと考えられる。ただ、こうした見通しは県の念頭にあっても、県民には不明で、説明が不足している。

 県が都市計画決定をした都市計画道路「奈良天理桜井線」(延長約23キロ、奈良市奈良阪町~桜井市阿部)は、現在の国道369号や169号を18~33.5メートルに拡幅する事業で、問題の道路はこの一部。

 県ホームページで閲覧できる2014年3月17日の県議会予算審査特別委員会の記録によると、国道369号の奈良市押上町から今在家町までの区間について、大坪宏通委員(当時)が「1966年に都市計画決定されたまま事業が未着手。道路を拡幅すると、転害門前の東大寺の旧境内などを削らなければならず、計画を残したまま事業を実施しないと、沿道住民の土地利用を制限し続けることになる。沿道の軒数も多く、買収には時間が掛かる。早急に見直すべきでは」とただした。

 県都市計画室長は「計画通り4車線に拡幅すると、沿道の市街地などに大きな影響を及ぼす。奈良公園周辺に大型車を含む通過交通を呼び込むことにもなり問題。都市計画道路を廃止または計画している車線数を減少させて見直す必要がある」などと答弁した。

 同国道のうち、ターミナルに関係する区間は同市登大路町になり、委員が挙げた区間の南側に隣接しているが、県都市計画室は取材に対し、「道路は連続しており、委員が挙げた区間のみで見直しはできない。前後を含めての検討が必要」とした。

 ターミナル予定地の東側に同国道があり、計画では現在のほぼ倍の33.5メートルに拡幅する。計画されているターミナル東西両棟のうち、東棟の半分以上が拡幅予定区域内に含まれるとみられる。同都市計画道路が見直されるとしても時期はまだ先。このため、都市計画法の「容易に移転または除却できるもの」という建築の許可要件は満たす必要がある。

 東棟は鉄骨造り2階建てで、構造と階数を見れば許可の範囲だが、ホールや展示施設を備え、南北は100メートル近くに及ぶ。要件に該当するかどうか、許可権限を持つ奈良市の審査を経なければならない。

 県奈良公園室はこれまでの取材で、「東棟は都市計画法の許可の基準を満足する構造としている」と述べ、建築に問題はないとの見解を示している。都市計画道路の見直しを検討しているかどうかについては、「都市計画道路は順次、見直しを実施しており、奈良市域についても、市と連携しながら必要性の検証などを行い、見直しに着手していく方針」と、都市計画道路全般への対応を述べるのにとどまっていた。【続報へ】

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