西奈良県民センター跡地の売却問題 県議会予算審査特別委で2委員が質問 住民の中止要望踏まえ再考求める
奈良市の西奈良県民センター跡地を巡り、県の売却方針に対し住民が中止を求めている問題が、12日開かれた奈良県議会2月定例会予算審査特別委員会(中村昭委員長、11人)で取り上げられた。太田敦(共産)、猪奥美里(新政なら)の2委員が質問、住民の要望を踏まえて県に再考を求めた。
県は、同定例会で審議中の2021年度一般会計予算案の歳入に、同跡地の売却を見込んだ収入を計上している。一方、住民でつくる「西奈良県民センター跡地利用を考える会」(関口年弘・世話人代表)」はことし1月、県に対し、跡地の民間への売却中止と跡地への防災を兼ねた公共施設の建設を要望する3079人の署名を提出している。
太田委員は、同センター閉館前に県の担当課長が地元自治会関係者に対し、跡地の売却を否定していたこと(「奈良の声」既報)を取り上げ、方針変更の時期や理由をただした。尾崎俊之・県ファシリティマネジメント室長は「ファシリティマネジメント推進本部でのさまざまな検討を経て、県としては利用しないとの結論に至り、奈良市に活用意向を照会したが、活用しないとの返事だったため売却方針を決定した」と答えた。
太田委員は、方針の変更に至ったことについて「当初の見通しに甘さがあったのではないか。住民は疑問に思っており、変更は説明されるべきだった」と批判、その上で「売却を急ぐ必要はない。跡地利用について引き続き住民と相談してほしい」と求めた。
一方、猪奥委員も、跡地の利用について最終的な決定をするときは、住民とも話し合いを持つべきではないかなどと指摘、その上で「奈良市が活用について考え直したら、再考の余地はあるのか」と質問したが、尾崎室長は「仮定の話はできない」と答えるにとどまった。 続報へ