ジャーナリスト浅野詠子
奈良県域水道一体化の関連議案を否決 大和郡山市議会建設水道委
一体化で廃止予定の大和郡山市営北郡山浄水場=2022年7月、大和郡山市植槻町
奈良県大和郡山市議会2月定例会は3月2日、建設水道委員会(丸谷利一委員長、6人)を開き、市が提案した県域水道一体化関連の2議案を賛成少数で否決した。
否決されたのは、市が2020年、水道会計から一般会計に移転した内部留保資金約28億円を元に戻す議案。市は一体化の受け皿となる県広域水道企業団に引き継ぐ方針。もう一つは奈良県広域水道企業団設立準備協議会の設置に関する協議についての議案。
上田清市長は2021年、市長選で一体化不参加を公約にしたが、水道資産の引き継ぎルールや昭和浄水場(水源・地下水)存続などで県が大幅に譲歩し、今年2月、県・25市町村長と共に水道事業の統合に関する基本協定を締結した。
採決では、丸谷委員長を除く委員5人のうち賛成が2人、反対が3人だった。反対したのは、保守系有力会派の豊政会をはじめ、共産、大和郡山志政クラブに所属する委員。賛成は、議長経験者を複数擁する政友会と公明の委員。本会議での採決は定例会最終日の3月13日にある。賛否が拮抗している模様。
市は、市の広報紙などで水道管の更新や料金の面で一体化を選択した方が有利とアピールしている。一方、市が1月22日に市内で開いた市民説明会では、参加への疑問の声が相次いだ。 関連記事へ