関西広域)広域水道企業団職員への身分移管希望16%にとどまる 6市統合協議の東大阪市が聞き取り
水道事業の6市統合を協議している大阪府東大阪市の市役所=2023年3月、同市荒本北1丁目
大阪府内の6市が来年の水道統合を目指して協議をしているが、このうち東大阪市が市の水道担当職員を対象に、受け皿となる大阪広域水道企業団(一部事務組合、用水供給事業、水道事業)職員への身分移管について聞き取り調査をしたところ、希望すると回答した職員は16%にとどまったことが分かった。
3月8日の市議会定例会の一般質問で福元清文議員(公明)が取り上げた。同市上下水道局によると、昨年12月、上水道担当職員121人を対象に聞き取り調査したところ、身分移管を希望する職員は16%だった。残る84%は「東大阪市職員の身分のままでいたい」「未定」などと回答したという。
賀川広宣水道総務部長は「低調な結果となったが、移管を希望する職員の比率が向上するよう努めたい」と答弁した。また、統合相手の市域への配置転換は本人が希望しない限りは当面行わないこととする回答を先月、同企業団から得たことも明らかにした。
福元議員は「当面とは抽象的ではないか」と再質問。賀川部長は異動の時期について「企業団に異動後、本人が業務に精通する人材として育った時期に、東大阪市以外への勤務を希望する場合などが想定される」と答えた。
当初は10市で目指した水道事業統合構想を巡っては河内長野市、羽曳野市、大東市が協議から離脱し、和泉市も昨年3月、市議会が否決し不参加となった。
残る6市で仕切り直しの協議が進められ、東大阪市は開会中の今定例会で賛否を問う。同市上下水道局は「奈良の声」の取材に対し「議決が得られると1年後に6市の経営統合が実現する」とする一方、統一料金については「府域一水道構想は参加団体間で料金の格差が著しく、この先何十年かかるのか見通しが立たない」とも話した。 関連記事へ