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ジャーナリスト浅野詠子

奈良県広域水道企業団 国の許可受け設立式 2025年4月から料金統一

奈良県広域水道企業団の設立が国に許可され、水道水で乾杯する企業長の山下知事(中央)ら=2024年12月1日、奈良市内、浅野詠子撮影

奈良県広域水道企業団の設立が国に許可され、水道水で乾杯する企業長の山下知事(中央)ら=2024年12月1日、奈良市内、浅野詠子撮影

 奈良県内の26市町村水道と県営水道統合の母体となる一部事務組合、県広域水道企業団(企業長・山下真知事)が国の許可を受けて発足、12月1日、奈良市内で設立式が行われた。

 水道料金の著しい格差がある市町村が、事業開始の初年度から廉価な統一料金によって県営水道と統合するのは全国でも異例。経営が悪化し、料金の高騰が避けられない市町村水道ほどメリットが大きい。

 荒井正吾前知事が強力なリーダーシップにより道筋をつけた。企業団は国庫補助金約211億円(10年間)を獲得するほか、県の一般会計からも211億円(同)の拠出を受けて、水道管の耐震化や料金格差の埋め合わせなどの原資に充てる。

 統合不参加の奈良市と葛城市の水道事業に対しては、企業団は用水供給単価(水源・大滝ダムなど)を引き上げる。

 中野雅史県会議長はあいさつで「奈良県は市町村合併が進まず、小規模市町村がたくさん存在する」と急がれた水道広域化の背景に触れ、給水人口約91万人の大型統合の船出を祝った。

 設立式には県選出の代議士らも出席。山下知事と構成市町村の関係者は持続可能な事業展開を願って水道水で乾杯した。

 水道企業団は特別地方公共団体に当たり、議会を設置する。水道料金の統一は2025年4月から実施される。

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