給水制限で水源の在り方に関心 奈良県広域水道企業団議会、当局は「浄水場の廃止計画見直さず」と答弁

質問が相次いだ奈良県広域水道企業団2月定例会の一般質問=2026年3月31日、奈良市登大路町の県議会議場、浅野詠子撮影
奈良県の水がめ、大滝ダム(川上村)の貯水率減少を受け、県広域水道企業団供給エリア24市町村で7%の給水制限(減圧給水)が始まった3月31日、企業団議会の2月定例会が再開、一般質問が行われ、水源の在り方に関心が集まった。
同企業団は水道統合の効果額を出すため、県内6カ所の主要浄水場を廃止する計画。水源の内訳は、地下水と大和川水系の2ダム。トップを切って大和郡山市植槻町の旧市営郡山北浄水場が31日午後5時をもって、運転を停止した。
木澤正男議員(斑鳩町議会選出)は「浄水場廃止計画を見直す考えはないか」とただし、企業団事務局長は「見直す必要はない」と答えた。
企業団よると、給水制限は梅雨ごろまで続く見通し。淀川水系の2ダムに水利権のある奈良市(水道統合不参加)と水融通の協議に入ったという。
辻内正誠議員(吉野町議会選出)は「水道水源の森林が荒廃し、水源涵養(かんよう)機能が低下している」と指摘した。辻内議員は、企業団水道水源の一つで吉野川支流の農林水産省・津風呂ダム(主目的かんがい)の渇水は深刻だとし、水源の津風呂川流域では農繁期を迎える中、「水不足で田植えができるのか人々は心配している」と訴えた。
津風呂ダムの水位が通常の水準に回復するまで5年かかる、との予測が現地に詳しい町民から出ているという。大滝ダムは吉野川本流にある。
辻内議員は「(水源となる)山林の荒廃は10年かけても元に戻らず、百年の計画で再生すべきもの。水道広域化事業の水源は大量の地下水を確保した方が安心」と提案した。
吉野川上流域の人工林は、国内でも屈指の良質な住宅用材の産地。30年以上前から、間伐を促進する公共政策が行われてきたが、手入れが行き届かない民有林がある。
8議員が質問に立ち、市町村から企業団への派遣で生じている職員の身分移管に関する課題、水道料金減免の行方、統合前の合意事項として公表された基本計画に安易な修正が加えられたことに対する懸念など、活発な発言が相次いだ。
2月定例会はこの日、水道施設改良費約159億2500万円などを計上した新年度予算案などを原案通り可決して閉会した。県広域水道企業団は旧県営水道と26市町村水道の統合による受け皿として設立され、2025年4月、事業を開始した。給水人口は38万世帯。
同定例会は当初、2月26日だけの会期の予定だったが、一般質問の通告をした議員が予想外に多く、県、各市町村議会の定例会とも重なり、日程を調整、会期を3月31日まで延長していた。
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