生活保護基準引き下げ巡る訴訟の控訴審判決、大阪高裁9月15日に言い渡し 奈良、大和郡山の利用者が訴え

大阪高裁などがある裁判所庁舎=2026年7月1日、大阪市北区西天満2丁目、浅野善一撮影
物価下落を理由に行われた2013~15年の国の大幅な生活保護基準引き下げによる全国的な生活扶助費の減額処分を巡り、奈良、大和郡山2市の生活保護制度利用者がそれぞれの市を相手取り、同処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審が7月1日、大阪地裁(川畑正文裁判長)で結審した。判決は9月15日午後2時から言い渡される。
2023年4月の奈良地裁一審判決は、同基準の見直しについて「厚生労働大臣の判断には過誤があり、裁量権の範囲を逸脱、乱用したもので生活保護法の規定に違反して違法」との判断を示した上で、大和郡山市の原告1世帯2人の訴えに対し請求を認め、市に減額処分の取り消しを命じた。一方、奈良市の原告2世帯2人の訴えに対しては請求を棄却した。
このため、大和郡山市の訴訟では被告の市が控訴し、奈良市の訴訟では原告が控訴している。
原告側によると、両市の間で判決が異なる結果となったのは、各原告が市の扶助費減額を不当として行った県への審査請求の時期が違っていたため。
大和郡山市の原告が審査請求を行ったのは、一連の保護基準引き下げが始まる2013年だった。一方、奈良市の原告が審査請求が行ったのは5年に1度の基準改定が行われた2017年。奈良市の原告は、2017年の改定は2013~15年の基準引き下げの影響を受けており、同様に2013年以前の扶助額に戻すべきと主張したが、判決は奈良市が行った扶助額の決定について「瑕疵(かし)が重大かつ明白であるということはできない」として認めなかった。
全国では、同様の訴訟が29地裁で起こされており、いずれも争いの場が高裁に移っている。このうち、大阪、名古屋両高裁の控訴審判決を受けた上告審で最高裁は昨年6月27日、同生活保護基準引き下げについて違法との判決を言い渡している。
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