奈良県香芝市議への懲罰発議者「“パワハラ”発言が論点」 現議会申し合わせに「議員の窓口同行禁止」無し 「奈良の声」指摘に
香芝市議会がある同市役所=2022年10月28日、同市本町
奈良県香芝市議会の昨年12月の委員会で、川田裕議長が「国民健康保険料や生活保護の窓口への議員の同行は禁止。断っても帰らない場合は議会に報告を」と述べたことに対し、青木恒子議員が「議員に対する圧力と感じた」と発言し、懲罰を科された問題。懲罰動議を発議した下村佳史議員(副議長)は11月28日、「奈良の声」が「同行禁止」は申し合わせとしての位置付けを失っているのではないかと指摘( 詳報)したことについて、「議長への発言が論点」と述べ、「窓口同行は問題にしていない」と話した。
この日開かれた議会の全体協議会に出席した下村議員に取材した。「奈良の声」は下村議員に対し、懲罰動議の発議に当たり、川田議長の発言について事実確認を行ったかどうかを尋ねる文書を、11月11日に自宅に届けていたが返答がなかった。
下村議員は「(「奈良の声」の質問は)窓口同行のことを問題にしているが、青木議員が公の場で議長に対し“パワハラだと感じた”と述べたことに対し懲罰動議を提出した。論点が違う」と話した。
川田議長が述べた「議員の同行は禁止」は、2011年2月18日の議会改革特別委員会が決めた「生活保護の認定などで議員は市民と同席しない」という申し合わせが根拠。青木議員の発言が問題とされた2021年12月14日の福祉教育委員会の1カ月前の11月4日の議会運営員会で、川田議長は「申し合わせは、任期が替わっているので全部リセットになっている」と言明していた。
「同行禁止」が申し合わせとしての位置付けを失っていれば、川田議長の正確さを欠く発言が青木議員に不要な威圧感を与えた可能性があるのではないか。下村議員は「私はそうは思わない。しかし、それを口に出されたことが問題。青木議員が窓口に行かれたことではなく、議長に述べたことを論点にしている」と述べた。 関連記事へ