関西広域)情報公開条例バリアフリー度、大阪府内自治体にアンケート 市民グループが冊子に
「知る権利ネットワーク関西」が刊行した「大阪府下自治体情報公開条例バリアフリー度調査」
大阪を中心に活動している市民団体「知る権利ネットワーク関西」(神野武美代表)がこのほど、小冊子「大阪府下自治体情報公開条例バリアフリー度調査」を刊行した。府内の自治体を対象に、情報公開条例の公開請求権者の範囲や「知る権利」の保障の明記、手数料などについてアンケートを実施、結果をまとめた。
調査の対象は府と府内43市町村。アンケートは2017年と2019年に実施した。冊子刊行は2022年11月。
冊子によると、同団体が各自治体のホームページから情報公開条例の条文を調査したところ、豊中市など22市町村が公開請求権者を住民や利害関係者などに限定、「何人も」としていないことが分かった。これを受け2017年、これら市町村を対象に「何人も」としていない理由や「何人も」とすることで生じる不都合な点などを尋ねた。
理由については「住民が対象と条例で定めているから」などの回答があり、冊子は「正面から答えていないものが目立った」と分析。不都合な点については「『検討していない』など確たる理由を示さない回答が目立った」と指摘している。
2019年は、「知る権利」の保障の明記の有無のほか、公開請求する上でバリアー(阻害要因)になると考えられるものとして選んだ情報公開請求用紙の「目的欄」や手数料の問題など合わせて12項目について質問した。
「知る権利」の保障を明記していないのは大阪市など15市町で、これら市町村の回答では、条例が規定する開示請求権が「知る権利を具体化したもの」などとするものが目立った。目的欄を設けているのは東大阪市など12市町で、「文書特定のため」などの回答が目立った。
また手数料は文書の複写代とは別で、吹田市などが法人や市外の人を対象に徴収。同市は理由として、市民を対象とした制度であることなどを挙げた。
巻末では、自治体ごとにバリアフリー度を採点し、一覧にした。
神野代表は調査結果について「さまざまな問題が浮かび上がった。自治体の首長や職員、市民に今後の条例改正の参考にしてほしい」と冊子の中で述べている。
冊子はA5 判、50ページ。希望者には1冊1000円(送料、振込手数料込み)で提供。振込先はゆうちょ銀行振替口座00980-4-79429(赤色の振込用紙を使用)。問い合わせは「知る権利ネットワーク関西」事務局の有田さん、電話080-5332-3135、電子メールshirukenri@jcom.zaq.ne.jp