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地域の身近な問題を掘り下げて取材しています

発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

平城宮跡 草原の自然、景観どうなる

平城宮跡の朱雀門前に立つ棚田嘉十郎の像

平城宮跡の朱雀門前に立つ棚田嘉十郎の像。棚田は明治から大正にかけ宮跡の保存運動に取り組み、今日の宮跡の原点をつくった。像が指さしているのは、建物の復元が進む第一次大極殿院ではなく、今も草地が広がる第二次大極殿院。保存運動はこちらから始まった。棚田が生涯をささげた場所だ=奈良市二条大路南3丁目

 草原の自然や景観が親しまれている奈良市の平城宮跡(特別史跡)で、国土交通省が宮殿復元の一環として進めようとしている第一次朝堂院広場の舗装工事に対し、市民団体が中止を求める声を上げた。緑地の減少や木簡など地中の遺物への影響を懸念している。

 反対運動が投じた一石は、宮跡で何が進められようとしているのかについて、住民らの関心を呼び起こした。最大の問題は、宮跡整備を推進する文化庁や国交省がこうした舗装や今後予定されている巨大な築地回廊の復元を決める過程で、是非について住民らが関与する機会をつくってこなかったことだ。

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