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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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ジャーナリスト浅野詠子

県域水道一体化、3候補が「参加しない」 奈良市長選、市民団体質問状に回答

5人が立候補し、激戦となっている奈良市長選の候補者ポスター掲示板=2021年7月6日、奈良市七条1丁目

5人が立候補し、激戦となっている奈良市長選の候補者ポスター掲示板=2021年7月6日、奈良市七条1丁目

 奈良県内27市町村営の水道事業を1つの企業団にまとめる県主導の県域水道一体化計画(主水源=大滝ダム、布目ダムなど)に対し、11日投開票の奈良市長選挙の候補者5人のうち3人までが「参加しない」方針であることが、市民団体「奈良市の水道問題を考える市民フォーラム」(八木健彦代表)が告示前に送った公開質問状に対する回答から分かった。

 「参加しない」と答えたのは、いずれも新人の谷川和広、中川崇、三橋和史の3候補。「参加する」と明言する候補はいなかった。「その他」と答えたのは新人の柿本元気、現職の仲川げんの2候補。

 その理由について70字以内の記載を市民団体は求めた。谷川氏は「市町村経営が原則の水道事業の放棄につながると同時に、統合後には3割にもおよぶ料金値上げが予定され、奈良市民には何のメリットもなく計画に反対」とし、柿本氏は「スケールメリットと補助金を合わせた650億円の効果額は魅力的。採用されるルールにもよるが、奈良市民が一方的に損をするのは問題」と答えた。

 中川氏は「奈良市の上水道事業は一見すると多額の負債が残っているが、毎年の収支は良好で着実な経営状態にあり、統合の必要性を特段感じない」とし、仲川氏は「統合に関する覚書に基づき関係団体との協議検討を進め、奈良市のメリット・デメリットを十分に確認したうえで最終的に参加・不参加を判断する」と回答。三橋氏は「現時点で公表されている情報のみで判断すると、参加にメリットがないと思われる」とした。 関連記事へ

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