ジャーナリスト浅野詠子
奈良県域水道一体化 市町村長、12月定例会にも企業団設立に向けた基本協定締結を表明 県が見通し
大正時代からの奈良市の水道水源、木津川。川沿いに奈良市営木津浄水場がある=2022年1月18日、京都府木津川市
奈良県域水道一体化に参加予定の27市町村の市町村長が今年12月の各市町村定例議会で、県広域水道企業団(仮称、一部事務組合)設立に向けて必要となる合意事項を定めた基本協定締結を表明する見通しであることが、県水道局への取材で分かった。
県水道局県域水道一体化準備室は「基本協定の締結は議会の議決を必要としないが、重要な案件になる。単純な見通しではあるが、関係市町村長は本年12月および来年3月の定例会2回にわたり、締結に関する方針を議会に説明することになるだろう」と話す。
県は来年度中の基本協定締結を目指し、同時に、施設設備や財政運営などに関わる基本的な合意事項を取りまとめ、「奈良県広域水道企業団基本計画」(仮称)を策定する予定という。
県は2025年度に企業団の開業を目指し、以後10年間、水道の広域化を奨励する国の補助金を得る考え。
一体化の水道水源は大滝ダム、布目ダムなど7つのダムになる。一体化の推進により、100年の歴史を持つ奈良市営木津浄水場をはじめ、健全な水循環に貢献してきた奈良盆地の地下水、ため池などを利用した約10カ所の市町村浄水場が廃止に向かう。一方で市町村水道管の耐震化に課題を残している。 関連記事へ