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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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浅野善一

県民センター跡地 民間への売却一時保留、県の活用意向再照会 「応じて取得交渉を」 住民団体が奈良市に要望書

「西奈良県民センター跡地利用を考える会」と奈良市の面談=2022年12月20日、同市役所

「西奈良県民センター跡地利用を考える会」と奈良市の面談=2022年12月20日、同市役所

 奈良市登美ケ丘2丁目の県有地、西奈良県民センター跡地について、県が民間への売却方針を一時保留し、再度、地元の同市に活用意向を照会していることを受け、住民でつくる「西奈良県民センター跡地利用を考える会」(川島信彦世話人代表)は12月20日、市に対し、県の再照会に応じて早急に取得交渉を行うよう求める要望書を提出した。

 跡地の活用について、県が奈良市に意向を再照会していることは、荒井正吾知事が12月7日の県議会12月定例会で明らかにした。市は2020年8月、県からの照会に対し「活用の意向無し」と回答しており、県はこれを受け売却方針を決定していた。

 跡地は県立大渕池公園の都市計画決定区域に含まれていたことから、建築制限があった。県は跡地を同区域から除外する都市計画の変更について、11月22日の県都市計画審議会に諮って承認を受け、同月25日には同変更の告示も終えていた。

 一方「考える会」は2019年から、県や奈良市との面談を重ね、跡地の売却を中止するとともに、跡地に防災機能を備え、住民が交流できる公共施設を設けるよう要望してきた。

 この日は市役所で、同会の関係者10人と梅田勝弘都市整備部長や関係課長らが面談した。川島代表世話人は、県民センター廃止後、周辺が公共施設の空白地域となっており、災害時の避難場所や住民が交流できる場所が必要だ、などと訴えた。

 これに対し、市は、跡地の活用意向無しとすでに県に回答しているにもかかわらず、事前に何の連絡もなく再照会の文書だけが送られてきた、と説明した。市が県に確認したところ、回答は「2年経過したのであらためて照会した」というもので、譲渡の際の割引などの条件も一切変わっていないとのことだったという。市は今も意図や真意を測りかねているとした。

 梅田都市整備部長は「皆さんの思いは理解している」と述べ、再度、県の真意確認に努め、要望書や同会から聞き取った内容を市長に報告するとし、これに対し市長からも「指示がある」との見通しを示した。

 県への回答期限は2023年3月末。 関連記事へ

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