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浅野善一

奈良市長「買い取る意思ない」 県民センター跡地活用、県の払い下げ再照会に 定例会見で述べる

西奈良県民センター跡地について「買い取る意思はない」と述べた仲川げん奈良市長=2022年12月22日、同市役所

西奈良県民センター跡地について「買い取る意思はない」と述べた仲川げん奈良市長=2022年12月22日、同市役所

 奈良市登美ケ丘2丁目の県有地、西奈良県民センター跡地について、県が民間への売却方針を一時保留し、再度、地元の同市に活用意向を照会していることに対し、仲川げん市長は12月22日の定例会見で、跡地を「買い取る意思はない」と述べた。

 跡地を巡っては、奈良市は2020年8月、県からの照会に対し「活用の意向無し」と回答しており、県はこれを受け売却方針を決定していた。しかし、荒井正吾知事は12月7日の県議会定例会で代表質問に答え、「先の意向確認から時間が経過している」として、市に活用意向を再照会していることを明らかにした。

 知事は「住民団体から公民館的な施設の要望があったが、地元住民が専ら利用する施設は基礎自治体の奈良市が整備すべき」とした上で、「周知のことだが、市町村に県有地を払い下げるときは大幅な減額をしている。最大半額ぐらいまではできると思う」と述べた。

 仲川市長は会見で県からの再照会について問われ、「市で自由に使っていいという話ならいいが、市で買わないかという話なので、(財政的に)買ってまで何かできる状態ではない。買い取りの意思がないことは(2020年8月に)すでに返事している」と答え、「地元がおっしゃっている公民館とか公園とか利便施設をということであれば、売却主である県が考えられたのいいのでは」と県の責任を問うた。

 知事が市町村に払い下げるときは安くしていると述べたことを前提にしても、跡地を活用する考えも、買い取る意思も「ない」とした。市長は「平松(県立奈良病院跡地)もそうだが、土地は売却するが地元関係は奈良市の予算でやってくれというのは都合のいい話で、それは無理」と疑問を呈した。

 住民でつくる「西奈良県民センター跡地利用を考える会」(川島信彦世話人代表)は12月20日、市に対し、県の再照会に応じて早急に取得交渉を行うよう求める要望書を提出している。要望書は「防災機能を備えた公共施設など地域住民の福祉に関する施設の設置は、住民に直結する地方自治体である奈良市の責務」と訴えている。 関連記事へ

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