
「奈良の声」記者(筆者)は今年3月、県内すべての市の議会定例会を傍聴した。「奈良の声」は少人数で取材活動をしているため、これまで傍聴の機会がなかった市議会もあった。地域の行政課題が議論される議会。市民の傍聴をしやすくするために、いろいろな配慮の仕方があることを知った。(2025年5月3日)

かつて春日大社の神職が多く住む社家町だった奈良市高畑町。大正時代から昭和の初めにかけ著名な画家や文士が移り住んだ歴史があり、伝統と近現代が共存するまちは、屋敷の塀もバラエティー豊かだ。塀に注目して、由来などについて住人や識者にも取材しながら歩いてみた。(2025年5月2日)

山添村立奈良県立山辺高校山添分校(昼間定時制、28人)の存廃を巡る問題で、議員有志6人が4月27日、同村大西の村ふれあいホールで「分校をなくさないための講演会」を開催。村民ら約80人が参加、各議員が弁士となって存続を訴えたほか、参加者も加わって町立定時制高校を運営する北海道日高町教育委員会の職員とオンラインで意見交換したした。(2025年4月27日)

県は、花の植栽に力を入れる県営馬見丘陵公園(河合町、広陵町)の春の一番の目玉となるチューリップの株数を今年、過去最大だった2年前のほぼ半分の35万株に減らした。株数の多さをPRする「関西最大級」のうたい文句も消えた。県は物価高騰を理由に挙げる。こうした社会状況はチューリップに力を入れる関西のほかの公園にも影響している。(2025年4月23日)

大和郡山市高田町のJR郡山駅西側広場で、半世紀にわたって時を知らせてきた花時計が止まったままになっていたが、市はこのほど修理に着手した。いったんは、修理をせず「時計型のオブジェ」として残すことを決めていた。方向転換のきっかけは、忘れられていた花時計設置の経緯を市が「奈良の声」からの問い合わせで知ったこと。駅前広場整備に合わせ、大和郡山ライオンズクラブから寄贈されたものだった。(2025年4月21日)

大和郡山市在住の画家横堀喜寛さん(76)が開いている絵画教室の作品展が4月18日、同市北郡山町のやまと郡山城ホールで始まった。小学1年から86歳まで、幅広い年齢層の生徒による描く楽しみが伝わる絵が並んでいる。入場無料。20日まで。(2025年4月18日)

議員への懲罰が裁判で違法とされたり、議長に対する不信任が決議されたりした香芝市議会で、この3月の改選後初の議会が4月15日にあり、議長選挙が行われた。立候補は筒井寛議員(立民)1人で無投票で当選が決まった。同不信任決議などで昨年12月に議長を辞任した川田裕議員(無所属)は立候補しなかった。(かっこ内は党派)(2025年4月15日)

「奈良の声」が昨年6月、香芝市議会に対し定例会の写真撮影と録音の許可を求めたところ、当時の議長は記者クラブ非加盟を理由に許可しなかった。ほかの市議会はどうなのか。この3月の県内全12市議会の定例会では、議長が代わった香芝市議会を含め、すべての市議会が「奈良の声」の写真撮影と録音を許可した。(2025年4月13日)

平群町内の大規模太陽光発電(メガソーラー)計画に反対する地元住民が工事の差し止めや県の許可の取り消しを求めた訴訟の判決が3月25日、奈良地裁(和田健裁判長)であった。地裁は県の許可基準を容認し、訴えを棄却。住民側は4日、大阪高裁に控訴したが、裁判を通して大和川流域の治水が争点として浮かび上がっている。(2025年4月4日)

県が募集した大阪・関西万博のボランティアの採用を巡って、多数の応募者が不採用から採用に一転する混乱が生じた問題について、山下真知事は4月3日の定例会見で「もたもたしていたという経緯については、おわび申し上げたい」と謝罪した。同問題は「奈良の声」の報道で明らかになった。(2025年4月3日)

県は昨年度から情報公開制度を「有料化」した。面白半分で公文書を大量に請求するなどの不届き者がいることから、利用者全員が費用の一部を負担することになった。では別の角度から公開制度を見てみる。(2025年4月1日)

戦国時代に筒井順慶や豊臣秀長が整備し、貴重な城郭遺跡としての価値が評価され2022年11月、県史跡から国史跡に“昇格”した大和郡山市の郡山城跡。しかし、以降も2年間、入り口の案内板の表示は旧来の「県指定史跡」のままだったが、県文化財課はようやく「現状にそぐわない」としてこの案内板を撤去した。(2025年3月27日)

社会のマイノリティーなどに向けて発せられる冷酷残忍な憎悪表現(ヘイトスピーチ)が後を絶たない。部落解放同盟県連合会は3月25日夜、奈良市大安寺1丁目の県人権センターで「県ヘイトスピーチ規制条例を求める県民の集い」を開いた。日ごろ、地域の環境問題や女性の権利擁護などに取り組む住民ら157人が参加した。(2025年3月26日)

県が4月13日開幕の大阪・関西万博に出展するに当たって募集したボランティアの選考で、多数の応募者がいったん不採用とされた後、一転して採用になっていたことが分かった。県が不採用だった人からの問い合わせを受けて、あらためて選考結果を確認したところ、複数の応募者が要件を満たしているにもかかわらず、不採用になっていたことが判明したという。(2025年3月25日)

歴史体験学習館計画の中止など、平城宮跡歴史公園(奈良市)の県営公園区域の大型箱物見直しを受けて、新たな整備の在り方を検討している県観光戦略本部平城宮跡周辺エリア部会(委員長・内藤廣東京大学名誉教授、10人)の5回目の会議が3月21日、県庁であり、これまでの検討結果を取りまとめた。「日本の食のはじまりは奈良」をテーマにソフト、ハードの両面で導入する機能の方向性が決定された。(2025年3月21日)

大正時代、美術団体「二科」の急進派グループなどに所属して活躍した彫刻家の浅野孟府、洋画家の岡本唐貴らが一時期、活動拠点にした神戸市灘区原田通3丁目付近の洋館跡の場所が、兵庫県姫路市山野井町の姫路文学館(市設)が作成した位置図から判明した。近代美術の研究者は「前衛芸術の史跡だ」と感嘆している。(2025年3月15日)

芝生広場の整備に伴って「奈良市庁」の銘板が撤去され、小さな仮の表示だけとなっていた同市役所入り口に、正式な案内板がようやく設置される。「奈良の声」の取材に対し、市が明らかにした。市は、案内板が気軽に立ち寄れる開放的空間という芝生広場の狙いに影響してはいけないと考えていた。一方で、昨年11月に改定された市バリアフリー基本構想は「だれもが必要な情報を得ることができるように」との目標の下に「情報のバリアフリー」を掲げている。(2025年3月15日)

香芝市が情報公開制度の利用者に手数料の負担を求めるため、市議会3月定例会に提出していた情報公開条例改正案が、同月7日の本会議で賛成多数で可決された。県内12市で住民から手数料を徴収するのは五條に次いで2例目となるが、制度の趣旨から町村を含め多くは無料。一方で最近の動向として、県が昨年6月、目的を逸脱した大量請求への対策を理由に有料化に踏み切り、同年11月に設立された一部事務組合の県広域水道企業団の条例も県に倣った。(2025年3月7日)

本州唯一の村立高校として75年間、村民をはじめ県境の三重県伊賀市民らと共に歩んできた山添村立奈良県立山辺高校山添分校(同村大西、32人)が存続の危機に直面している。設置者が村、管理者が県という形態を解消するよう県教育委員会から求められ、多数の存続要望署名が集まる中、村長は4日、閉校に向けた決意を表明した。(2025年3月4日)

県は昨年6月から県情報公開条例に基づく開示請求1件につき300円の手数料を取るようなった。これを受け、今年4月から事業を開始する県広域水道企業団も同額の手数料を制度化した。香芝市も300円の手数料を取るための条例改正案を開催中の市議会3月定例会に提出している。(2025年3月1日)
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