
大正時代、美術団体「二科」の急進派グループなどに所属して活躍した彫刻家の浅野孟府、洋画家の岡本唐貴らが一時期、活動拠点にした神戸市灘区原田通3丁目付近の洋館跡の場所が、兵庫県姫路市山野井町の姫路文学館(市設)が作成した位置図から判明した。近代美術の研究者は「前衛芸術の史跡だ」と感嘆している。(2025年3月15日)

芝生広場の整備に伴って「奈良市庁」の銘板が撤去され、小さな仮の表示だけとなっていた同市役所入り口に、正式な案内板がようやく設置される。「奈良の声」の取材に対し、市が明らかにした。市は、案内板が気軽に立ち寄れる開放的空間という芝生広場の狙いに影響してはいけないと考えていた。一方で、昨年11月に改定された市バリアフリー基本構想は「だれもが必要な情報を得ることができるように」との目標の下に「情報のバリアフリー」を掲げている。(2025年3月15日)

香芝市が情報公開制度の利用者に手数料の負担を求めるため、市議会3月定例会に提出していた情報公開条例改正案が、同月7日の本会議で賛成多数で可決された。県内12市で住民から手数料を徴収するのは五條に次いで2例目となるが、制度の趣旨から町村を含め多くは無料。一方で最近の動向として、県が昨年6月、目的を逸脱した大量請求への対策を理由に有料化に踏み切り、同年11月に設立された一部事務組合の県広域水道企業団の条例も県に倣った。(2025年3月7日)

本州唯一の村立高校として75年間、村民をはじめ県境の三重県伊賀市民らと共に歩んできた山添村立奈良県立山辺高校山添分校(同村大西、32人)が存続の危機に直面している。設置者が村、管理者が県という形態を解消するよう県教育委員会から求められ、多数の存続要望署名が集まる中、村長は4日、閉校に向けた決意を表明した。(2025年3月4日)

県は昨年6月から県情報公開条例に基づく開示請求1件につき300円の手数料を取るようなった。これを受け、今年4月から事業を開始する県広域水道企業団も同額の手数料を制度化した。香芝市も300円の手数料を取るための条例改正案を開催中の市議会3月定例会に提出している。(2025年3月1日)

香芝市が情報公開制度に手数料を導入するため、開会中の市議会3月定例会に提出している情報公開条例改正案が、審議が付託されている総務建設委員会(木下充啓委員長、8人)で賛成多数で可決された。採決に参加しない委員長を除く7人のうち6人が賛成した。発言した委員は賛成反対それぞれ1人と少数だった。県内全12市のうち3市が手数料を徴収しているが、請求者が法人か否か、住民か否かに関わりなく徴収しているのは五條のみ。3月7日の定例会本会議で採決が行われる予定。(2025年2月26日)

香芝市の三橋和史市長がSNS「X(エックス)」への投稿で、「市長経験者が乱発する開示請求」などと、個人の請求情報に言及した。福岡憲宏前市長の市議会議員選挙への出馬意向を伝える新聞記事で、福岡氏が「三橋市長の就任後、職員の残業時間が格段に増えた」と批判したことに対し、同氏の開示請求への対応が影響しているとの反論だが、行政機関が保護すべき個人情報にならないか。三橋市長は取材に対し「前市長は開示請求していることをSNSで公開しており、請求は周知の事実。指摘は当たらない」と述べた。(2025年2月25日)

香芝市議会の青木恒子議員(共産)に対する出席停止の懲罰を違法とした判決で裁判上の被告である市が負った損害賠償金について、懲罰に賛成した議員に求償権を行使すべきかどうかを検討していた三橋和史市長は、同議員らに賠償金を連帯して支払うよう2月12日付で請求した。賠償金は同月19日納付された。「奈良の声」の取材で分かった。市は公表していない。懲罰に賛成した議員が自ら求償権の行使を求めていた。(2025年2月21日)

今年4月1日に事業開始する県広域水道企業団(26市町村水道と県営水道の統合、一部事務組合)の初議会(定数38)が2月20日、奈良市内で開かれた。議長に吉田雅範氏(五條市議会)、副議長に山本隆史氏(平群町議会)を選出し、初年度の予算案を可決した。(2025年2月20日)

今年4月から事業を開始する県広域水道企業団(26市町村水道と県営水道の統合)に10年間で211億円の特別な財政支援をする県は、2025年度当初一般会計予算案に初年度分の14億5290万円を計上し、2月25日開会の県議会2月定例会に諮る。(2025年2月19日)

情報公開制度利用者への手数料の創設を目指す香芝市の三橋和史市長は、2月17日開会の市議会3月定例会に、市情報公開条例の改正案を提出した。市は提案理由について「制度の利用適正化に向け、既に手数料が定められている国や奈良県に倣った」と説明した。(2025年2月17日)

スウェーデン絵本の翻訳や同国の教育、福祉の法律に関する書籍の出版活動などで活躍する広陵町在住の研究者が、自身の名刺に「原爆胎内被爆者全国連絡会会員」と書き入れ、胎内被爆者であることを明かすようになって7年になる。きっかけは何だったのか。戦後80年を機会に思いを聞いた。(2025年2月15日)

G7各国の中で自殺死亡率が最も高い日本。さまざまな局面での人々の生きづらさを反映しているのだろう。一般社会から閉ざされた病棟などにも福祉の谷間がある。他害行為容疑の精神障害者(無罪、不起訴、執行猶予)を強制治療する心神喪失等医療観察法の周辺からも深刻な課題が見えてくる。同法は当事者の社会復帰を促すことが目的だが、2005年の施行以降、入院・通院の処遇中に76人が命を絶っていた(2023年12月31日現在)。そして、この集計に関する公文書は作成されていない。なぜか。(2025年2月14日)

香芝市は、市情報公開条例に基づく開示請求に対し、1件につき300円の手数料を徴収する条例改正案を、2月17日開会の市議会3月定例会に提出する。市は「受益者負担」を理由にしている。複写代などの実費は現在も請求者が負担している。行政に説明責任を負わせる情報公開制度を巡っては、国や奈良県は手数料を徴収しているが、県内市町村の大半は無料。考え方は分かれている。(2025年2月13日)

ため池の底にたまった泥を川に流し、その養分を海に届ける恒例の「かいぼり」が、兵庫県明石市大久保町松陰の下川池で行われた。池を管理する農業者や漁業者らが厳寒の中、氷の張った水に腰まで浸かり、泥のかき出しに奮闘した。(2025年2月8日)

水道の広域化を促す改正・水道法施行後初の大型の事業統合が実現した奈良県。生駒市や大和郡山市は、統合参加に向けた関連議案の市議会議決前に住民説明会を開いた。ほかの市町村はどうだったのか。今年4月から統一料金による事業が開始されるが、統合のために設立された県広域水道企業団(一部事務組合、企業長・山下真知事)に参加する県と26市町村に「奈良の声」が聞き取り調査をしたところ、この2市だけにとどまっていたことが分かった。(2025年2月7日)

平城宮跡歴史公園(奈良市)の県営公園区域の計画見直しを受けて、新たな整備の在り方を検討している県観光戦略本部平城宮跡周辺エリア部会(委員長・内藤廣東京大学名誉教授、10人)の会議が1月27日、県庁であった。「奈良の“食”を中心としたにぎわいづくりを進めていく」との方向で委員の意見が一致した。同区域では、前知事時代の大型事業の見直しで歴史体験学習館計画などが中止になっている。(2025年1月29日)

幕末、治療法がなかった天然痘の予防接種、種痘を広めた町医者を主人公にした、松竹の1月24日封切りの映画「雪の花―ともに在りて―」(小泉堯史監督)に登場する種痘道具の小道具は、山添村大西の診療所院長・野村信介さん(67)が保存している戦前の「乱切刀(ランセット)」が参考にされた。(2025年1月28日)

水道管の内面や水管橋の劣化具合、管が埋設されている土壌の環境を調査するため、県が実施している「埋設管老朽度調査委託」の入札に対し、業者が集まらない傾向が見られる。発注のなかった2023年度を除き、少なくとも2020年度、21年度、22度年、24年度に応札したのはいずれも同じ1社だけ。競争性の乏しい落札となった。昨年12月に設立された県域水道一体化の県広域水道企業団に課題として持ち越されそうだ。(2025年1月26日)

田原本町、川西町、三宅町が水道事業を共同で行うためにつくっている一部事務組合、磯城郡水道企業団(田原本町西竹田、給水人口約4万5800人)が今年3月末、設立からわずか3年で解散する。より大きな枠組みで4月に水道事業を開始する県広域水道企業団(企業長・山下真知事、県営水道と26市町村水道を統合)に参加したためだ。短期間での解散、解散後も継続する国の補助金について、関係者に取材した。(2025年1月14日)
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