
「奈良や京都が戦禍を免れたのは米国人美術史家ラングドン・ウォーナー博士のお陰」としてウォーナーを顕彰する報恩塔と解説板が、県内の有名寺院2カ所に立っている。太平洋戦争では県内においても空襲による惨劇があった。戦後80年を迎え、ウォーナー恩人説についてあらためて考えた。(2025年10月6日)

奈良時代に遣唐使として活躍した吉備真備の没後1250年法要が10月4日、奈良市高畑町の閼伽井庵(あかいあん、森田康友住職)で営まれた。生涯に2度の入唐を果たし、文化先端の国から文物や暦学を持ち帰った真備。その遺徳を多くの参拝者がしのんだ。(2025年10月4日)

県が10月24日に奈良市内で開催する日韓音楽交流イベントの参加申し込みの方法に対し、不満の声がある。K-POPの公演などが予定されていて入場無料だが、県民限定のため本人確認の方法としてマイナンバーカードが必要。カードを持っておらず申し込めなかった県民の1人は「県民の税金が使われているのに」と「奈良の声」に訴えた。奈良県のカード保有率は現在約8割。(2025年10月1日)

今年5月、大阪・関西万博奈良県催事会場のソファ50個が催しの3日間だけ使用して廃棄された問題が、9月29日の県議会定例会総務警察委員会(大国正博委員長、8人)で取り上げられた。問題を明らかにした「奈良の声」の先月15日付の報道を受けて、松木秀一郎委員(日本維新の会)が廃棄に至った経緯などについてただした。(2025年9月29日)

県行政書士会の2023年5月の会長選挙を巡り、同会が告示連絡を電子メールで行ったことに対し、会員の全てに伝わっておらず立候補の機会を奪われたなどとして、会員の1人が同会を相手取り、選挙の無効確認と損害賠償を求めて提訴している問題で、同会は今年5月の会長選挙の告示連絡では紙文書の送付を復活していたことが分かった。奈良地裁葛城支部(西田政博裁判官)で9月24日にあった口頭弁論で明らかになった。(2025年9月27日)

県立民俗博物館が収集した民俗資料の保存の在り方について意見を聞く、県の民俗資料収集・保存方針等検討委員会の会議が非公開となっていることについて、県は「決めたのは委員会」と説明してきたが、9月26日の県議会定例会文教くらし委員会(森山賀文委員長、8人)では、「県から非公開が妥当との考え方を示したところ委員から異論はなかった」と述べた。会議の非公開は県の考え方だった。(2025年9月26日)

奈良市が32年前、同市佐保台西町のJR平城山駅ロータリーに設置した日時計のモニュメントは、開放的な「広場」に見えるのに出入りに難点がある。市は「道路区域内であり、歩行者が立ち入るための場所ではない」と説明する。しかし、そこに入らなければモニュメントを間近に鑑賞することはできず、日時計が捉える太陽の動きも分からない。(2025年9月17日)

宇陀市で市毛皮革屑(くず)処理施設の指定管理者が市に事業報告書の業務日報を提出していなかった問題が、9月11日の市議会定例会決算審査特別委員会(勝井太郎委員長、8人)で取り上げられた。問題を明らかにした今年6月の「奈良の声」の報道を受けて、委員が市に説明を求めた。(2025年9月11日)

県は、チューリップなど花の公園として知られる県営馬見丘陵公園(河合町、広陵町)について、持続可能な公園管理に向けた新たな財源の確保のためとして、駐車場の有料化を検討する。10月4~13日の催し「あきいろマルシェ in 馬見フラワーフェスタ」期間中、実験として駐車場の利用1回当たり500円の料金を徴収する。(2025年9月9日)

アスベスト(石綿)による健康被害に関心を持ってもらうことを目的にしたアスベストセンター賞の文芸賞に奈良市の会社員玉田崇二さん(47)の小説「風呂の守(も)り」が選ばれた。アスベストの危険性を感じつつも地域のために共同浴場を守ろうとする母とそれを支える子の姿を描いた。(2025年8月26日)

県立医科大学(橿原市四条町)の臨床教育の講座に所属し、同大学付属病院に勤務する女性医師が産前休業中の2022年1月、上司からの連絡で職場に出向いた帰りに転倒、緊急入院し、帝王切開で出産した。妊娠38周で出産直前だった。上司の対応は休業妨害に当たるなどとして、大学にハラスメント相談をしたが退けられた。(2025年8月24日)

今年5月、大阪・関西万博奈良県催事会場のソファ50個が催しの3日間だけ使用して廃棄された問題で、関係者の受け止め方はどうか。万博開催者の2025年日本国際博覧会協会は「持ってきたものは持ち帰っていただくことになっており、コメントする立場にない」とし、販売会社は「廃棄以外の選択肢として、通常使用の範囲内でメンテナンス方法を案内している」と述べた。(2025年8月22日)

福祉関係者や識者らでつくる「奈良県の生活保護行政をよくする会」(代表世話人・古川雅朗弁護士)は、福祉事務所を設置する県内自治体の「生活保護のしおり」が正確で分かりやすい情報提供を行っているかどうかを点検した結果をまとめ、8月21日、県に対し、「誤った記載」など「不適切」な内容については改善を指導するよう申し入れた。(2025年8月21日)

大阪・関西万博の屋外イベント広場「エキスポアリーナ」で今年5月にあった同万博奈良県実行委員会主催の「オール・ナラ・フェスティバル」の観客用に購入されたソファ50個が、3日間の催し終了後に廃棄されていた。「奈良の声」の取材で分かった。(写真はユーチューブ「奈良県公式総合チャンネル」から)(2025年8月15日)

タカの仲間で環境省レッドリストで絶滅危惧種とされているサシバの繁殖地の一つ、山添村で7月末、野鳥写真家の与名正三さんが巣立ちした幼鳥を確認、撮影した。同地で一般の人を対象に観察会が行われてから約3週間。与名さんら関係者は幼鳥が無事巣立ちしたことに胸をなで下ろしている。(2025年8月1日)

県立民俗博物館が収集した民俗資料の保存の在り方について意見を聞く、県の民俗資料収集・保存方針等検討委員会の会議が非公開となっていることを巡り、山下真知事が県議会6月定例会で「決めたのは委員会」と述べた問題で、同委員会の運営方法を定めた設置要綱自体には、会議の公開、非公開の決定を委員会の責任とする規定がないことが分かった。(2025年7月20日)

県議会はこの6月の定例会で、「奈良の声」に対し本会議傍聴取材時の写真撮影を許可した。記者クラブ非加盟の「奈良の声」にとって初めての許可となった。しかし、録音については「クラブ非加盟の報道関係者には一定の制限が必要」として認めなかった。クラブに加盟しているか否かで扱いに差をつけた。隣の三重県議会は一般傍聴者を含め、自由に撮影、録音ができる。(2025年7月17日)

本稿は、「高畑・旧栗盛吉蔵邸の保存・活用を進める会」(大槻旭彦代表世話人)が2025年7月6日、奈良市東寺林町の市ならまちセンターで開いたフォーラムで、「奈良の声」記者浅野詠子が講演した内容を修正し再構成したものです。(2025年7月15日)

奈良市役所の芝生広場整備に伴う「奈良市庁」の表札撤去後の市役所入り口の表示を巡る問題で、市はこれまでのように表札を設置せず、柵に案内板を取り付ける形にとどめることにした。芝生広場を気軽に立ち寄れる開放的空間とすることを重視し、市役所を正面から名乗ることは控えめにした。県内市役所で見ると、表札がない例はほかにない。(2025年7月11日)

米国出身の建築家、ウイリアム・メレル・ヴォーリズ(1880~1964年)が設計した奈良県内唯一の建物とされる日本画家の旧居兼アトリエを巡り「高畑・旧栗盛吉蔵邸の保存・活用を考えるフォーラム」が7月6日、同市内であり、約80人が参加した。(2025年7月6日)
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