
昭和の初めに建てられ、奈良県内に唯一現存するヴォーリズ建築として保存を求める声が上がっている奈良市高畑町の屋敷の当初の主として注目される日本画家、栗盛吉蔵(1897~1974年、秋田県大館市出身)。当時、市内で開かれた絵画展に出品するなど足跡を残していたことが、「奈良の声」の取材で分かった。(2025年6月4日)

山添村立県立山辺高校山添分校(28人)の文化サークル狂言部のたった1人の部員として奮闘する4年生の石本智博さん(18)が5月29日、狂言の芸歴40年の村民、浦久保昌宣さん(88)と同村大西の村青年会館の特設能舞台に立ち、観客となった今春の新入生や教諭ら20人を楽しませた。(2025年5月29日)

山添村の山林に計画されたメガソーラー(巨大太陽光発電施設)は着工に至らず事業が頓挫した。業者が県に申請していた81ヘクタールの事業用地のうち20数ヘクタールが未買収のまま時間が経過、国の電力買い取りの特例制度(FIT認定)の適用が無効となり、現地合同会社の親会社に当たる東京都内の企業は昨年、事業から撤退した。計画地は水道水源の上流域に当たり、反対署名は村内人口の半数を超えていた。(2025年5月28日)

米国出身の建築家、ウイリアム・メレル・ヴォーリズ(1880~1964年)が戦前に設計したと伝えられる奈良市高畑町の古い屋敷を巡って、保存運動が起こっている。今年3月、大和ハウス工業が建物の取り壊しと敷地の売却を念頭に取得。門に同社の連絡先が掲げられたことから、事情を知った地域住民らが今月1日、保存を求める要望書を同社に提出した。(2025年5月16日)

安堵町が合成皮革くずなどの排出業者の組合に交付していた産業廃棄物処理の補助金を巡る問題で、その一部に充てられていた県の産業廃棄物処理事業県費補助金について、同補助金交付要綱が定める補助対象に町が該当していなかったことが「奈良の声」の取材で分かった。県費補助金は2020年度まで町に交付されていた。(2025年5月16日)

大和郡山市高田町のJR郡山駅西側広場で、止まったままになっていた花時計の修理が5月14日、完了し、再び時を刻み始めた。花時計を管理する市は当初、修理をせず「時計型のオブジェ」として残すことを決めていた。(2025年5月14日)

日隅一雄・情報流通促進基金(海渡雄一代表理事)は5月7日、2025年の情報流通促進賞を発表。「奈良の声」の取材報道が特別賞に選ばれた。「地域の人々が知るべき情報を丹念に掘り起こす取材」が評価された。同賞は、公正な情報の流通の促進をし、真の国民主権の実現に貢献している個人や団体を顕彰し、支援を行うことを目的としている。(2025年5月7日)

「奈良の声」記者(筆者)は今年3月、県内すべての市の議会定例会を傍聴した。「奈良の声」は少人数で取材活動をしているため、これまで傍聴の機会がなかった市議会もあった。地域の行政課題が議論される議会。市民の傍聴をしやすくするために、いろいろな配慮の仕方があることを知った。(2025年5月3日)

かつて春日大社の神職が多く住む社家町だった奈良市高畑町。大正時代から昭和の初めにかけ著名な画家や文士が移り住んだ歴史があり、伝統と近現代が共存するまちは、屋敷の塀もバラエティー豊かだ。塀に注目して、由来などについて住人や識者にも取材しながら歩いてみた。(2025年5月2日)

山添村立奈良県立山辺高校山添分校(昼間定時制、28人)の存廃を巡る問題で、議員有志6人が4月27日、同村大西の村ふれあいホールで「分校をなくさないための講演会」を開催。村民ら約80人が参加、各議員が弁士となって存続を訴えたほか、参加者も加わって町立定時制高校を運営する北海道日高町教育委員会の職員とオンラインで意見交換したした。(2025年4月27日)

県は、花の植栽に力を入れる県営馬見丘陵公園(河合町、広陵町)の春の一番の目玉となるチューリップの株数を今年、過去最大だった2年前のほぼ半分の35万株に減らした。株数の多さをPRする「関西最大級」のうたい文句も消えた。県は物価高騰を理由に挙げる。こうした社会状況はチューリップに力を入れる関西のほかの公園にも影響している。(2025年4月23日)

大和郡山市高田町のJR郡山駅西側広場で、半世紀にわたって時を知らせてきた花時計が止まったままになっていたが、市はこのほど修理に着手した。いったんは、修理をせず「時計型のオブジェ」として残すことを決めていた。方向転換のきっかけは、忘れられていた花時計設置の経緯を市が「奈良の声」からの問い合わせで知ったこと。駅前広場整備に合わせ、大和郡山ライオンズクラブから寄贈されたものだった。(2025年4月21日)

大和郡山市在住の画家横堀喜寛さん(76)が開いている絵画教室の作品展が4月18日、同市北郡山町のやまと郡山城ホールで始まった。小学1年から86歳まで、幅広い年齢層の生徒による描く楽しみが伝わる絵が並んでいる。入場無料。20日まで。(2025年4月18日)

議員への懲罰が裁判で違法とされたり、議長に対する不信任が決議されたりした香芝市議会で、この3月の改選後初の議会が4月15日にあり、議長選挙が行われた。立候補は筒井寛議員(立民)1人で無投票で当選が決まった。同不信任決議などで昨年12月に議長を辞任した川田裕議員(無所属)は立候補しなかった。(かっこ内は党派)(2025年4月15日)

「奈良の声」が昨年6月、香芝市議会に対し定例会の写真撮影と録音の許可を求めたところ、当時の議長は記者クラブ非加盟を理由に許可しなかった。ほかの市議会はどうなのか。この3月の県内全12市議会の定例会では、議長が代わった香芝市議会を含め、すべての市議会が「奈良の声」の写真撮影と録音を許可した。(2025年4月13日)

平群町内の大規模太陽光発電(メガソーラー)計画に反対する地元住民が工事の差し止めや県の許可の取り消しを求めた訴訟の判決が3月25日、奈良地裁(和田健裁判長)であった。地裁は県の許可基準を容認し、訴えを棄却。住民側は4日、大阪高裁に控訴したが、裁判を通して大和川流域の治水が争点として浮かび上がっている。(2025年4月4日)

県が募集した大阪・関西万博のボランティアの採用を巡って、多数の応募者が不採用から採用に一転する混乱が生じた問題について、山下真知事は4月3日の定例会見で「もたもたしていたという経緯については、おわび申し上げたい」と謝罪した。同問題は「奈良の声」の報道で明らかになった。(2025年4月3日)

県は昨年度から情報公開制度を「有料化」した。面白半分で公文書を大量に請求するなどの不届き者がいることから、利用者全員が費用の一部を負担することになった。では別の角度から公開制度を見てみる。(2025年4月1日)

戦国時代に筒井順慶や豊臣秀長が整備し、貴重な城郭遺跡としての価値が評価され2022年11月、県史跡から国史跡に“昇格”した大和郡山市の郡山城跡。しかし、以降も2年間、入り口の案内板の表示は旧来の「県指定史跡」のままだったが、県文化財課はようやく「現状にそぐわない」としてこの案内板を撤去した。(2025年3月27日)

社会のマイノリティーなどに向けて発せられる冷酷残忍な憎悪表現(ヘイトスピーチ)が後を絶たない。部落解放同盟県連合会は3月25日夜、奈良市大安寺1丁目の県人権センターで「県ヘイトスピーチ規制条例を求める県民の集い」を開いた。日ごろ、地域の環境問題や女性の権利擁護などに取り組む住民ら157人が参加した。(2025年3月26日)
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