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発行者/奈良県大和郡山市・浅野善一

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ジャーナリスト浅野詠子

統一料金への疑問などで意見 県域水道一体化構想巡り奈良市が2回目の第三者懇談会

委員から活発な意見が出た「奈良市県域水道一体化取組事業懇談会」の第2回会合=2022年6月22日、同市役所

委員から活発な意見が出た「奈良市県域水道一体化取組事業懇談会」の第2回会合=2022年6月22日、同市役所

 奈良県内27市町村営水道と用水供給事業の県営水道とを事業統合し、企業団(一部事務組合)発足を2025年度に目指す県主導の構想を巡り、奈良市が学識経験者、市議らから意見を聞く「市県域水道一体化取組事業懇談会」(座長、浦上拓也・近畿大学教授、11人)の第2回会合が22日、同市二条大路南1丁目の市役所正庁で開かれた。

 市は8月に参加・不参加の方向を決める。仲川げん市長があいさつし「正しい判断につなげたい」と、決定に至るまでに努力する姿勢を示した。傍聴者は前回の27人から40人に増え、市民の関心が高まってきたことを印象づけた。

 浦上座長は、人口減少時代に市町村水道施設を集約できる広域化を促す改正水道法の意義を解説。一方、その改正がコンセッション方式という民営化に新たな道を開いたことへの言及はなかった。

 設立が予定されている企業団は、地理的、歴史的にも違いが多い市町村で編成され、設立と同時に統一料金にする一体化構想に対し、複数の委員から疑問が出た。

 市の県営水道受水率は供給量全体の12%。仮に奈良市が一体化に不参加の場合、企業団が行う用水供給事業の単価はどうなるのかと問題提起した委員(市議)もいた。「奈良の声」のこれまでの取材では、関係市町村の複数の職員によると、県営水道からの導水距離の高い生駒市に対し、県の管理職が非公式の場で「一体化に参加しないなら値上げだ」と示唆したこともある。

次回は市民への影響がテーマ

 市は来月12日予定の第3回会合で、統合シミュレーションについて踏み込んだ考え方を示すとみられる。その折、一体化に伴う市民への影響にも言及する。 関連記事へ

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